勝間塾に入って5ヶ月経ったのでその内容と面白さについて書いておく
突然ですかぼくは勝間和代さんの主催する私塾:勝間塾の塾生です。相当怪しい名前ですが中身は至って普通というか勝間さんを中心として月に一回別の講師の方を招いて講演をしてもらったり毎月宿題で課題図書であったりワークが出たりするのですが内容的には普通のセミナーだと思ってもらえれば良いです。ただし塾と冠しているので一回限りの講演セミナーと違って毎回どちらかというとグロービスだとか資格学校のクラスに近いものがあります。専用のSNSがあるので塾生同士も交流がし易いところがポイントなのかなと思っています。相当怪しい勝間塾ですが中の人達は至って普通の人が多いので僕はオフ会主催したり結構わいわいやったりして何故かランニングクラブに入ったりして楽しいです。詳しくは以下を見て下さい。
http://www.katsumaweb.com/modules/logical/index.php?content_id=5
さて勝間塾に入ったのは3月のスタートアップだったのでそろそろ入塾して5ヶ月くらい経つのですが、それまでに色々と思う所もあり一度エントリにまとめたいなと思いながらも書いていなかったのでここで一度ぼくなりに勝間塾の効用と意義とか今後のことなどを書いておきたいと思います。
Contents
- 1.勝間塾の意義とその効果について 前に進む力を仲間と共有するということ
- 性質1:足を引っ張るのか背中を押すのか
- 性質2:共通する志向性
- 理由:なぜアウトプットを共有するネットワークが必要なのか
- 2.リアルでの動き方の現状と今後の動き方とトレンド的なこと
- Webコミュニティのライフサイクルと勝間塾外への動き
- 理由1:月に一度の月例会という性質
- 理由2:勝間塾がシステム内の活動となる必然
- 理由3:少人数化の動き
- 理由4:勝間塾卒業後を見据えた動き
- 3.そこでは僕は何を成すのか
- 基本はHit&Away
- 企画もやる
- 4.あとがき
1.勝間塾の意義とその効果について 前に進む力を仲間と共有するということ
最初にいきなり結論めいた話を持ってくるが、勝間塾に居ることの意義とは何だろうか。経済評論家である勝間和代さんの講演を傾聴し、自分の琴線に触れるキーワードを脳の中で租借し、今後の自己研鑽・自己実現に役立てる事であろうか。
確かに、彼女の話は彼女自身がこれまでマッキンゼー、JPモルガン証券のコンサルタント・アナリストとして活躍してきた実績をとても分かり易く抽象化しており、また彼女は聴衆に体する言葉の紡ぎ方が非常に上手なので、話を聞いているだけでもとても得られるものが多い。また、勝間塾では毎回勝間さんと親しい著名人を招いて講演をしてもらうのだが、やはり勝間さんの言葉の使い方というのは他の人のそれとは違うのが良く分かる。何と言うか、一言一言に膨大なメッセージを乗せてくるタイプである。ああこの人頭が良いなーと思うときは大体同じ感覚に陥る。
しかし、本質的な勝間塾に居る事の意義とは彼女の講演を聴いて自分の中にメッセージを取り込み租借し、自己実現に役立てる事ではないと思っている。その目的とは何なのか。それは、勝間塾の案内で冒頭に勝間さん自身が述べている通り、
勝間塾へようこそ。「塾」ということばは、「私設のまなびや(学舎)」を表します。すなわち、勝間塾は、私、勝間和代がこれから説明する「志」に賛同して集まってくださるみなさんに、「学びの場所」を提供するものです。
という事である。つまり勝間塾の根本思想は私塾であり、その目的は講義者から得る新たな知識の習得ではなく、志を持つ仲間を得る事なのである。勘の良いひとは分かると思うのだが、この私塾の概念というのは、加藤弘之が帝国大学の総長を務めていた明治二十年代に、行政官庁と結びついた大学教授達のマインドに反撥して福沢諭吉が設立した慶応義塾と良く似ている。
実際、開成学校など、名のある洋学所はこの大騒動中、みんな閉鎖されていたのである。その後も、明治新政府が、大学南校などの形で洋学教育復興するまでの間、日本で洋学教育をちゃんとやっているところは、慶応義塾だけであった。--『天皇と東大』第五章 慶応は東大より偉かった P.120--
性質1:足を引っ張るのか背中を押すのか
勝間塾の本質目的について述べた所で、そこへ集まるひとの性質についてぼくの主観を述べておきたいと思う。それは即ち、足を引っ張るだの嘲笑するのではなく、ひとの背中を押すことのできる人間が集っているのではないかと思う。勝間塾には塾生専用のWebコミュニティがあるのだが、この事はそのコミュニティで交わされる議論やコミュニケーションを見ていると良く分かるし、実際にオフ会などで人と会ったりしてもそういった印象を受ける。またそうした集団自体がそういった性質を帯びているため、勉強会などが自然発生する。持論だが、基本的に人間はひとりの意思では前には進んでいけないような遺伝子構造をしているので、このように同じ環境にいるひとに対して足を引っ張る事無く、頑張る事に対して後押しが出来るという環境であるということは、とても良い事だと思っている。
性質2:共通する志向性
またそこに居るひとたちの志向についても主観を述べておく。これはオフ会で会った人であるとかコミュニティでの発言を観察していると分かるのだが、基本的に中にいる勝間塾生というのは志向が似通った部分が多い。ここで言う志向というのは日々のActivityの手段なり方法のことを言っている。具体的には、Twitter・Facebook・Blogと言ったソーシャルウェブの活用度が高かったりだとか、runningに対する意識の高さだとか(これはrunning限定と言うより運動する事が根本的に読書と同じ程度にひとの根幹を成すものだからだと思う)、読書人口の多さといった部分が所以である。こうした志向性の偏りも、一つのコミュニティの繋がりを強固にする重要なファクターの一つだと思う。
理由:なぜアウトプットを共有するネットワークが必要なのか
さて、"塾"というからには当然講義であり課題図書でありワークの宿題等で勉強をする仕組みになっているのだが、それでは勉強をする上で最も大切な事は何だろうか。色々な勉強法の本であったり知的生産系ノウハウで盛んに叫ばれている事であることであるが、それは当然アウトプットである。勉強したり本を読んだならば、それを誰かに話す、教える、文章で書いて誰かに見せる、聴衆に対して講演する。そのよう他人に対して自分のインプットを吐き出すことが最上の勉強方法であると僕は認識している。しかし通常であればこれが中々難しい。そもそも勉強したところでその事について熱く語る機会などは中々見つかるものではないし、ブログなどで発信した所でインターネットの藻屑となってやる気がなくなってしまい結局続かないのが関の山だろう。
僕の呟きは他者の目に触れている時点で無意味な藻屑となった訳ではないが、他者に届いて何かしらのフィードバックが得られてこそ初めて「成功したアウトプット」となり得る。
効果的なアウトプットの方法とそのライフサイクルについて - THINK CIRCUIT
さて、実はここが勝間塾のシステムが上手く回っている最大のポイントである。即ち、自分が勉強したり本を読んだ感想をコミュニティで発信する事によって、必ず誰かからフィードバックをもらう事が出来るということだ。なぜそのライフサイクルが上手く回転しているか。それは当然、コメントを返す側も自ら発信行為をするというアウトプットとなるからである。また、ブログを新たに作ったのであれば、仲間同士でフィードバックを送り合う事も出来る。同じネットワークに属する人間同士で、学ぶということに最も必要なアウトプット行為をプロセスとして回していけると言うことが、勝間塾が面白いコミュニティである肝なのである。また同様にネットワークを利用して、自分の勉強に他人を巻き込む事が可能である。復習会であったり予習会などが日々開催されているが*1、そのように自分の学びをどんどんアウトプットしていくことができるのが最大の強みである。
2.リアルでの動き方の現状と今後の動き方とトレンド的なこと
勝間塾の最大の肝は、共通した志向を持つ仲間と共に切磋琢磨し、学びを共有していけることだということは既に述べた。ではコミュニティのライフサイクルという観点から、勝間塾の現状と今後の進展について主観的に述べておく。
Webコミュニティのライフサイクルと勝間塾外への動き
前提として、基本的なWebコミュニティのライフサイクルは以下の4つの段階が存在する。
- 成長:コミュニティが生まれたばかりの状態で、集まってきた人たちも価値を探している状態。
- 出発:メンバーから自主的にディスカッションやコメントが投稿されるようになる。コミュニティだけで自然と盛り上がるようになる。
- 成熟:ユーザーの中で役割(インフルエンサー、議題提供者、閲覧者)が生まれてきて、メンバーだけで存続できるようになる。
- 分裂:古いメンバーと新しく入ったメンバーなどコミュニティの中の人間関係が複雑になり、関係ごとにグループができたり、細分化されたテーマごとにグループができる。小さなコミュニティは再度、「確立」の状態に入り成長していく。
基本的には5ヶ月間を経て勝間塾は塾生同士のコミュニティという面では分裂の段階であると言える。オフ会以外にも様々な勉強会、課外活動などが活発化している事からも分かるし、WebコミュニティにPostするメンバーも当初より大分様変わりしている。そしてもはや勝間塾とは全く関係のないグループも多々発生しているという状況がある。ではそれは何故か。最後にその点について語る。ちなみに、コミュニティが変化していくのは、そのコミュニティが健全であるという事の証明であることを認識しておいてもらいたい。
理由1:月に一度の月例会という性質
勝間塾は原則として月に一度の月例会をベースとしたシステムとなっている。また先程から述べている専用のWebコミュニティであったり、月例会のオーディオブックや配付資料などをダウンロードする事ができる。また、7月には特別編として夏期合宿が開催された事もあった。
勝間和代さんの「勝間塾」合宿セミナーに参加してきた! | No Second Life
とは言え例外を除けば塾生同士の交流というものは基本的にこの月例会をベースに動いていく事になるため、コミュニケーションの中心は月例会のテーマになる。当然、月例会のテーマに沿った勉強会が企画されることもある。@yukaogaさんがやっている予習会とか、@apricot0122さんが7月までやっていたレビュー会、@nozawa_mさんの秋葉原勉強会とか、@yoshie_kkcさんの多摩地区勉強会とか。そしてこれらはあくまで月例会のテーマをベースとした勉強会である。
理由2:勝間塾がシステム内の活動となる必然
勝間さんが情報収集の講義か何かで「システム外の活動とシステム内の活動」というテーマを話していたのだが、勝間塾にコミットしていくと当初はその場自体がシステム外であったが、それが習慣化してくると、当然勝間塾自体がシステム内の活動になってくる。成長のジレンマなのか、こうした状況になると、今度は勝間塾を出て新たなシステム外活動を行う必要が出てくるのだが、このフェーズが活発化しているのが今の段階だと思う。例えば@yukie08051213さんのランニングクラブ*2とか、NitroCannaさんの英語の会、@funuhuさんのアウトドア会など、月例会のテーマ自体とは関係のない活動が非常に活発化しているのが今のフェーズだと思う。
理由3:少人数化の動き
限定されたコミュニティとは言え、勝間塾生の人数はかなりの数に上る。この中で実際に誰かと話を深めていこうと思うとこれは結構難しく、深刻な問題となってくる。その流れを受けて、今システム外活動と共に分裂したコミュニティの少人数化の動きがある。これもまた月例会をベースにしているだけでは物足りなくなた人ひとたちが、より深いコミュニケーションを求めて勝間塾というシステムの外で活動しようとする動きの現れである。
理由4:勝間塾卒業後を見据えた動き
最後にこれは中でも革新的なのだが、勝間塾卒業を見据えた現役塾生の動きというのが存在する。Facebookの非公式グループがそれに当たるが、今のうちから専用コミュニティ以外で卒業生が集れる場所を作っておこうという流れである。ここまで来るともはや完全に勝間塾というシステムから抜け出す予兆のようなものを感じる。卒業したら各個人は卒業生であっても月例会など関係無くなるため、このグループは完全に現存の勝間塾と関係のない活動を生み出していく可能性がある。
3.そこでは僕は何を成すのか
最後に、これまで勝間塾の意義と効果、そのライフサイクルの有用性と、現在のコミュニティの動きなどを書いてきたが、それでは一体ぼくはその中でなにをすれば良いのかということについて書く。
基本はHit&Away
個人的にこの関わり方がが肝だと思っている。上に述べたような塾生内での面白い活動があれば当然参加してみるし、参加してみて今の自分には必要無いなと判断すれば抜ける。面白ければとことんコミットしてみる。このコミュニティの旨味を最大限活用する一番効果的な方法はこの一点だと思う。
4.あとがき
長々と書いてきたが、個人的には勝間さんを中心としたこのネットワークはすごく面白いと思う。講義自体も勿論だが、何よりそこで会う人たちが魅力的な人が多い。知らない事を学ぶ事も多い。もし興味のある方が居れば是非。連絡頂ければ内容など話します。
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