コミュニケーション技術―実用的文章の書き方 (中公新書)

コミュニケーション技術―実用的文章の書き方 (中公新書)

コミュニケーション技術―実用的文章の書き方 (中公新書)

文章の構成方法について学ぶ。

  • 文章の最小単位は単語であり、単語には最も気を使わなければならない。そして選んだ単語にはそれに合った動詞・形容詞を使わなければならない。一つの文章にしたら、複数の意味を持たせないように注意する。文章の固まりがパラグラフとなる。パラグラフの中に複数の主張があってはいけない。パラグラフは総論から各論へ展開させる。各論は時系列・空間・重要性などの順番で並べる。これらは全て読む人間の側に立った文章の書き方であり、良い文章とは読む人を混乱させない文章である。
  • 実用文は読み手に行動を求めるのが普通であるから、絶えず読み手を念頭において書かなければならない。
  • 文は、一つかそれ以上の単語の集まりであるから、分かり易いか否かは、単語の選択の善し悪しで決まる。
  • ワンワード/ワンミーニングの原則。類語辞典を利用する。ex子供=息子、せがれ、娘、長男、次男、次女
  • 選択した名詞に付く動詞は、ほとんどの場合決まっている。ex将棋を指す、碁を打つ、潮煙が立つ、樹氷が咲く、水垢がたまる、水質は汚濁する、光は透過する
  • ひとつのセンテンスは、40文字、多くても50文字を目処にする。それより短い分には良い。
  • ワンセンテンス/ワンアイデア=一つの文が一つのまとまった考えを表現しなければならない。
  • 就職する言葉と修飾される言葉が離れ過ぎていると、つながりが明白でなくなる。縁のある語はお互いに接近させた方が無難である。
  • 文章をすっきりさせるには、パラレリズム(並列法)の形になる様にする。
  • 単文であるのは良い事だが、単文過ぎる場合は「だからどうした?」の質問を浴びせる。ex「当社は古い。信用がある。」
  • 語句の重複を避ける。ex「電球の球」「三日の日」「赤い色」
  • ワンパラグラフ/ワントピック。一つのパラグラフは、一つの主題、話題でまとめることが書き手の守るべきエチケットである。
  • 総論から各論へ。頭の中ではデータ[各論]から要約[総論]へ展開しているものを、報告する段階では、逆に総論から各論へと方向を変えなければならない。
  • 各論を述べる順番は分の性質や種類で決まる。相手の関心の高い順、時間順、空間順などと並べるのが良い。
  • 実用文では、目的を述べる事が第一用件である。
  • 目的を書く時には、先ず問題点から述べ、それを技術上の目的、さらには伝達の目的へと展開させていく。
  • パラグラフは「総論」だけで構成しても「各論」だけで構成しても読者を満足させる物にならない。「総論」と「各論」を論理的に結合して初めて読み損なわないパラグラフが期待できる。
  • いずれの場合でもパラグラフ内が一つの明確な展開法に基づいていることが重要である。
  • 二つ以上のパラグラフから構成される文章は、一つの主題を論及するパラグラフのつながりである。従って、それを並べる順序を考えなければならない。