リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間

リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間

リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間

ザッポスの奇跡とザッポス伝説を読んで興味が湧いたことと、以前から気になっていたこともあり、購入。最近本屋で平積みにされているイメージがあったので割と新しい本なのかと思っていたら、初版は2005年9月5日ということでなんと6年前に発刊された本であった。驚きである。著者はリッツ・カールトンホテル前日本支社長の高野昇氏。リッツ・カールトンにしろザッポスにしろディズニーにしろ、最近はサービス・カンパニーというのに注目が集まっている。彼らに共通するのは、自分たちが提供しているのは個々の商品・サービスではなく、「顧客満足」であり、ホテル業や靴の販売、エンターテイメント・ショーは、そのための手段であるという点。それから、個々の従業員の精神的に成熟し、豊かな感性を持ち合わせているという点。この二点を持ち合わせている企業というのはあまり無いため、他の起業でも「クレド」を真似するが、結局従業員への浸透度が全く本家とは異なるため上手くいかなかったという話などは興味深かった。一度リッツ・カールトンで働いてみたら楽しそうなのである。

読書メモ

  • ホスピタリティの提供
    • つまるところ、ホテルマンの仕事は、お客様と接するあらゆる場面で、いかに感性の高いホスピタリティを提供できるか。
    • 心のサービスは無限大である。リッツ・カールトンでの出来事を思い出して、幸せな気持ちを味わってもらえるかもしれない。そんな感動をお客様と一緒に作って行けるかどうか。それが私たちの目指すホスピタリティである。
  • リッツ・カールトンの歴史
    • リッツ・カールトンは、「ホテリエの中の王」と呼ばれたセザール・リッツが、1898年にパリに建てたホテル・リッツと、ロンドンのカールトン・ホテルが一緒になってできたホテル・カンパニー。
  • クレドとは
    • クレドとはリッツ・カールトンの理念や使命、サービス哲学を凝縮した普遍の価値観であり、時流や地域性に左右される性質のものではない。
    • クレドはマニュアルではない。マニュアルは従業員の言語や文化的背景、あるいは教育レベルが多様化しているアメリカ社会で発達したもので、言うなれば頭で理解させて守らせるルール。一方クレドは心で納得して実践する物である。同じ感性と価値を共有した人がほうとうに心からクレドに納得していれば、マニュアルのように細かい決まりを定めなくても、自然に同じ振るまいができるというのがクレドの基本的な考え方。
    • クレドは「感性の羅針盤」である。現場で問題に直面した時や、お客様のさまざまなライフステージに立ち会う時などに、その従業員の行動指針がクレドカードを読み解くことによって示される。さらにその感性を全従業員が共有することで、ぶれない方向性が保たれる。
  • クレドと一般的な社訓の違い
    • クレドと一般的な社訓との違いは従業員への浸透度である。一般的な企業では社訓を意識する事は少ないが、クレドは従業員が心から納得できるまで、何十回でも何百回でも繰り返して読む。ただクレドを知っている、頭で理解しているというレベルではなく、心から納得できるまで何度でも。
  • PASSION
    • PASSION=情熱は、周囲の人を巻き込んでいくエネルギーである。その情熱が強ければ強いほど、現場や組織も大きく変わっていく。
  • 自己投資
    • どの分野でも良いから、本当に成功したいのであれば"目指す収入"の5%は自分に投資するくらいでないと駄目。それから、もっとセンスを磨く。
    • いつもたくさんの本を読むこと、質の高いセミナーに参加して、多くの人と出会うこと。ホテルマンとしての感性を磨くための投資としては、美術館で本物の絵や彫刻に触れる、あるいは話題のオペラやミュージカル、演劇の舞台を見たり、年に一度はこれまで行ったことのない土地を訪れる、メンターをたくさん探して、ビジョンの高い人達と時間を共有する。