『人狼ゲーム』で学ぶ十億ウェブ時代の心理交渉術
- 【ソーシャルブック】シリーズ
- 『人狼ゲーム』で学ぶ十億ウェブ時代の心理交渉術
- 著者:しんざき
- 発売日:2012年2月24日
デジカルさんという会社で電子書籍購入3冊目でいよいよ僕も電子書籍に親しんできた感ある。読みたいなあと思っていたのと丁度手持ちの本を全て読んでしまったこともあり、外出先でダウンロードして購入。電子書籍のこのスピード感すばらしい*1。内容は人狼ゲームの解説とそこで行われるコミュニケーションの応用手段などfmfmと読んでたが、僕は元からカードゲームとか割と好きで*2何コレ超おもしろそう!と思って一瞬にして読んでしまった。こういうゲームは結構マイナーな所で盛り上がるから周りにやってる人なんていないんだけど、読んでたらすごいうやりたくなったのでどこかで参加できないかなとか調べたりしてた。
memo
話し合いと、騙し合い。説得する、説得される。信じる、信じない。まさに、「コミュニケーション」が中核となる、不思議な魅力を持ったゲームなのです。
この人狼ゲームは、「会話」が中心なので、いろいろな面で「実際のコミュニケーション」の参考になる部分があります。
- 何よりもまず、発信しないと始まらない、ということ。
- 味方の作り方、敵の作り方。敵を作るにしても、有効な「敵の作り方」とそうでない「敵の作り方」がある、ということ。
- どんな情報を信じるか。どんな情報は信じないか、という判断が重要だということ。
- 「信じてもらう」「信頼してもらう」為には何をすればいいのか、ということ。
- 自分が生き残れなかったといって、チームが負けるとは限らない、ということ。
- 自分の発言を評価するのは受け取り手であって自分ではないということ。
- 時として、たった一人を説得するだけでゲームに勝つ事も出来る、ということ。
ツイッターやフェイスブックのようなソーシャルメディアが隆盛し始めてから、「ブログは過去の物」というように考える人も増えてきたように思います。私の考え方は逆で、「ソーシャルメディアをやっているからこそ、同時にブログも書き、相互補完的を図るべき」であると思っています。
これらがまさに人狼ゲームの真髄です。適切に意思疎通して、適切な人を信用して、適切に影響力を増す事が出来れば、ゲーム上で有利になります。
その人の言葉に、生き延びようとする意思はあるか?村を誘導しようとしているのか?混乱させようとしているのか?ある人の発言、一言の意図を徹底的に考え抜いて、その人が怪しいか、怪しく無いかを判断する。こういう思考法が、人狼ゲームでは常に求められます。
「明確な対立軸があるかとうか」というのは、議論を進めるにあたってとても大きいのです。漫画やゲームと同じで、「はっきりした敵がいる」というのは展開を非常に分かりやすくするのです。
この時大事な事は、私の知る限り、「きちんとした根拠に基づいて、自分で考え抜いて決める事」です。思考停止しない。思考を放棄しない。考えに考え抜いて決めた決断であれば、それがどんな結果だろうと、残った村のメンバーはその結果に納得してくれる事でしょう。
「その情報がデマなのか、本当なのか」に関わらず、「情報が妥当なのかどうか、自分でソースを確認して、自分で判断する」というのは必ず必要なワンステップだと、少なくとも私は思うのですが、感情が昂るとなかなかそれも難しくなるようです。
ウェブで他の人達との繋がりを作る、いわば「コツ」の一つとして、自分に取って「当たり前の事」でも、それは自分しか持っていない情報なのだという自信をもって発信していくこと、というのものがあることも、人狼ゲームが教えてくれる事の一つなのではないかなあ、と私は思います。
そういう意味で、私にとっての人狼ゲームの最大の目的は、「勝つこと」ではなく「楽しいログ(ゲームの記録)を作る事」です。