女子高生ちえのMBA日記 ― 社長だもん、もっと勉強しなきゃ!! (女子高生ちえの社長日記)

女子高生ちえのMBA日記 ― 社長だもん、もっと勉強しなきゃ!! (女子高生ちえの社長日記)

女子高生ちえのMBA日記 ― 社長だもん、もっと勉強しなきゃ!! (女子高生ちえの社長日記)

感想とか

立て続けに三作読んだけれど、最後の展開でちょっと感動した。リコール問題で窮地に立たされたちえを助けるために、ビジネススクールの先生とクラスメイトが全員でちえの会社がどうやって行動すれば良いのか考える所だ。
ぼくも学校でケースメソッドをやったけど、それは基本的な考え方が中心で、戦略立案までやることはなかったんですよね。会社の新人研修で戦略立案のケースを一回だけやったけど、その時はまだフレームワーククリティカルシンキングを道具として使えていなかったから、今もう一度やったら少し良い成果を残せると良いんだけど。でも何故かその時は一位を取れた。今考えると、滅茶苦茶なビジネスプランだったなあと思う。
最近はビジネス本が溢れかえってブームのような状態だけど、こうしてマネジメントを学びながら、実際の現場でそれを活用していく様子が描かれる本というのは珍しく、そこがこのシリーズの一番面白い部分ではないかと思うな。だからもしドラもヒットしたんじゃないかな。

memo

でも、誰でも知っているはずの言葉なのに、自分の会社のコアコンピタンスとは何かを意識できている経営者や管理職というのは、意外と少ないんだ。

MBAとは、会社の経営に役立つ知恵の習得を目的として解説されるコースなんだ。アメリカではビジネスエリートのパスポートとも言われているもの。

「今回、Cチームが勝ったのは、ゲーム理論の原点である『相手がどんな行動をとるか』の検討を、しっかり実践できたのがポイントだね。実際のビジネスの場面を見ていても、意外と『相手がどんな行動をとるか』が考えられていないことが多い。…」

しかし、企業が行う活動のなかには、安全性を低下させるものもある。工場の増設などは資産の部をトップライトにする典型的な活動で、一時的に企業の安全性は低下するが、将来的には企業の収益性を高めてくれる。だから、経営者は、安全性という視点だけで企業活動を考えてはいけないんだ。企業が継続的に収益をあげられるように考える必要がある。貸借対照表を見る時も、安全性と収益性のバランスを考えるのが、経営者の役割なんだ」

「ところが、アンケートで音質重視と答えた女性をみると、職業を持つ三十歳以上の女性のキャリアウーマンが多いようです。そのことから、仕事できるスーツなどの服装に合わせやすい白や黒を選ぶ傾向があることも納得できます。営業側からレポートのあった『売り場までは来てくれても、実際に手に取る人が少ない』という現象も説明がつきますね。アンケートの結果では、実際に音を聞いてみた女性の感想は上々ですから、この点を修正すれば挽回の可能性は十分にありそうです」

「もちろんだよ。いまは輸送中の事故に関しては、保険等を使ってリスクを回避できるが、企業経営では保険ではカバーされないリスクが山ほどある。たとえば、企業の取引先が極端に少なかった場合、一つの取引先との商売がストップしただけでも、会社が経営危機に陥ることがある」

「ちえさんの心配する通り、効率視点と顧客視点の目標とでは、こちらをたてればあちらが立たず、いわゆるトレードオフの関係にあるものであって、どちらかを追求すると片方が達成できなくなることが発生する。そこで大切になるのが、この二つの視点の目標をバランスよく達成することなんだ。例に挙げた時計会社の場合は、工場の在庫目標だけでなく、お客からの注文に応えられる確率も目標として加えることで、経営効率と顧客の満足を同時に高めることにしたんだ」

「不確実な要因が色々ある場合でも、影響の大きい要因とそうでない要因を区別して、影響の大きい要因を動かしてその影響を見る感度分析が有効である」

どんな会社でも、製品やサービスの品質管理は企業の生命線。「起こさない、隠さない、繰り返さない」をモットーに、品質管理を行う。

「切羽詰まった状況に置かれると、誰でも迷うものなんだ。銀行とか取引先とか、いろいろなところが勝手な意見を言ってくる。しかし、彼らはその結果に責任を取る訳ではない。その中で、責任を取って最終的な決断をするのが、社長の役割なんだね。社長にしかできない仕事なんだ」

「…最後に、一つ。繰り返しになるが、このケーススタディでは提案する施策の質も大切だが、それ以上にスピードが重要だ。まさに『孫氏の兵法』でいう『兵は拙速を尊ぶ』だ。なお、このケーススタディでの成績は、今期の成績評価のなかで重要なウエイトを占める。では、各チームの幸運を祈る」

「チーム清水のメンバーの意見にもあるように、今回のトラブルの直接の原因は社内ではなく、キャリアテープの不良という小さな外部要因だった。しかし、世界のトップ企業と呼ばれるほどの成功を収めた事例を分析すると、興味ある共通点が見えてくる。それは、そう言う企業は、成長の過程で倒産しかねない程の大きなトラブルに見舞われながらも、そこから立ち直ることで、さらなる発展を遂げているケースが多いことだ。大トラブルも、最初はごく小さな要因だったりもする。月並みな言い方だが、ピンチはチャンスなり。隠れていた弱点が何かのきっかけで陽の目を見、それを是正することで新たな飛躍につながるのだ」

「会社で仕事をする人は、授業で習ったような幅広いマネジメントの知識を身に付けてそれをいろいろな場面で、自分自身の判断で使えるようにならなければならないと思いまた。それに加えて、一緒に働く社員皆が協力し合って、やりがいと誇りを持てる会社を作り、そしてお客様に愛される会社にしていくことが大切だと言うことを、ビジネススクールで実感しました。みなさん、一年間、ほんとうにありがとうございました」