論理トレーニング101題
- 作者: 野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 産業図書
- 発売日: 2001/05/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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文章構成についてこれ程じっくりと勉強できる本は、この「論理トレーニング101題」をおいて他に無い。文章の書き方について解説をした本は色々あるが、この本は正に教科書的存在と言うことができる。なぜなら、101題の論理トレーニングを解くことで、自然と文章構造=論理関係を読み取れる力が付くからだ。著者の野矢氏が冒頭で言っているように、この本を読む時は是非ノートを片手に全問解いてみて欲しい。全ての問題を解き終わったとき、論理を把握する力が上がっているのが分かるだろう。自分自身も、この本を読み終わった時、論理関係を見つけるスピードが急に上がったのを感じた。もし、本を読んでいて文章構造が上手く把握できなかったり、それができても、すごく時間がかかって悩んでいる人には、是非お勧めしたい一冊である。
なお、本書の最重要ポイントは以下の二点である。文章を読んだり書いたりする時には、この二点を常に意識するべきだろう。
- 接続表現に気を付けること。
- 文章の流れと構造を掴む。
読書メモ
- 論理が最も要求されるのは、自分と異なる意見の相手と対話をする時である。
- 論理的になるためには、接続表現に自覚的になるのが一番である。
- 重要な接続関係→付加、理由、例示、転換、解説、帰結、補足
- 接続関係を読み解く時に注意すべきポイント→1.主張の方向を見定める 2.主張の軽重を見積もる
- 七つの接続関係を四つのカテゴリにまとめる(論理の骨格を掴む)→解説、根拠、付加、転換
- 議論の骨格を捉える→1.解説と根拠をまとめて主張掲示文をマークする 2.主張掲示文を付加ないし転換の関係で接続する。
- 議論を建物の配置された町並みの様に捉える。おのおのの建物には、主張掲示文ないしは問題提起文がいわば「表札」として掲げられている。建物の内部は、解説と根拠という二つの関係で構築されている。
- 論証は一般に次のような構造を持つ。A…根拠→導出→B…結論
- 演繹:根拠とされる主張を認めたならば結論も必ず認めねばならないような決定的な力を期待されている導出。
- 推測:ある事実をもとに、それを説明するような仮説を提案するタイプの導出。
- 条件文:A→B 逆:B→A 裏:Aでない→Bでない 対偶:Bでない→Aでない
- 立証…あることを主張し、それに対して論証を与えること
- 異論…相手の主張と対立するような主張を立証すること
- 批判…相手の立証の論証部に対して反論すること。対立する主張までは出していない。
参考
- 作者: 本多勝一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 1982/01/14
- メディア: 文庫
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- 作者: 山田ズーニー
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2001/11/15
- メディア: 新書
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