知的生活の方法
- 作者: 渡部昇一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1976/04/23
- メディア: 新書
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面白かった!読み応えと、知的生活というものに対する洞察、実践の方法を読み込むの愉快。自分はこういうのが好きなんだなと実感する。
知的生活についての本が現代の読者のために必要なのではないか、と思ったのは、20年前に読んだハマトンの『知的生活』を数年前に読み返し、去年と今年また読み返して非常な啓発を受けたからである。
この本。
- 作者: 渡部昇一,下谷和幸,P・G・ハマトン
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/09/06
- メディア: 文庫
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先生の隠居所は広い建物ではなかったが、天井まで和洋漢の本が積んであった。英語の先生だから、英語の本があるのは当然である。漢文の古典と日本の古典は和本である。しかも積んであるだけでなく、先生はそれを読んでおられたのだ。そのような人がいることは、本では読んだ事があったが、実物を見たのは初めてであった。
このように繰り返して読むという事の意味はどういうことなのだろうか。それは筋を知っているのにさらに繰り返して読むという事であるから、注意が内容の細かいところ、面白い叙述の仕方にだんだん及んでいくということになるであろう。これはおそらく読書の質を高めるための必須の条件と言ってもよいと思う。
1冊の本を繰り返し読むのと、速読のように本を理解していくのと、バランスが難しい。
このような恵まれない環境にあって徂徠はなにをやりはじめたのであろうか。それは手持ちの限られた本を徹底的に精読し始めたのである。わからないところがあっても教えを受ける先生はいない。文字通り百編も繰り返して意味を悟ったのであった。
ここもそう。バランス。読む本全てを百編も読んでいられないからなあ。
映画には繰り返してみられる「名画」が生じたように、テレビにも将来、「名画」が生じるかもしれない。いずれにせよ、キイ・ポイントになるのは「繰り返し見るに耐えるか」ということにつきるのだ。
時間により洗練されて生き残る物について。テレビは時間淘汰されないからこそテレビである気はするけどな。
知的生活とは絶えず本を買い続ける生活である。従って知的生活の重要な部分は、ほんの置き場の確保という事に向かざるを得ないのである。
読書とは最終的に不動産の問題との戦いである。
だからラテン語やギリシア語の原典を読もうとして辞書など引いてる人は、膨大な時間を毎日無駄にしていることになる。たまに友達と飲んだり、将棋を指すのとは桁違いに大きな時間とエネルギーの空費である。こういうのが、もっとも危険だという事にある。
時間の空費とはまではいかないが、原典を読む前には本当に原典を読むべきか考えなければいけない。
<早起きカント>
早起きで有名なのはカントである。このドイツの大哲学者は、規則正しい生活で有名であるが、夏も冬も起床は5時であった。
カント先生ともなると、そういう生活にもなるのか。逆の人もいそうだが。夜更かしの哲学者とか。
いじょう