もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら


読んでからだいぶ日が経ってしまったのだが、発売日当日に買ったくらい楽しみにしていたhttp://d.hatena.ne.jp/aureliano/で有名なid:aurelianoこと岩崎夏海さんの著作。内容はタイトルの通り『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』という、読んで字の如くといったところなのだが、とにかくこの本は面白い!今年僕が読んだ本の中でも一番面白かったんじゃないかというくらい面白かった。これは本当に友達とかに読むことを薦めたい。


僕が一番面白いと感じたのは、「その発想は無かった」という点だ。ストーリー自体は高校の野球部がみんなで甲子園を目指すというそこまで珍しくもない設定で、エースの苦悩や部内でのぶつかり、女子マネージャーの介入などを経験しつつ、さあ甲子園に行けるのか、という漫画でもありそうなプロット。しかしそこに「ドラッカー」という要素が入り、劇的に物語が面白くなる。しかも本書は、ドラッカーを知っている人でも、そうでない人でも楽しめるように書かれている。岩崎さん自身もブログでこう書かれている。

正直に告白すると、この本のターゲットは、13歳以上の「全人類」です。老若男女、国籍や言語や思想や宗教に関係なく、誰が読んでも自分のこととして置き換えられたり、あるいは感情移入して面白いと思ってもらえるよう、企図しながら書きました。それが実現できたかどうかは分かりませんが、しかしそう考えながら書いたのは事実です。
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20091204/1259897352

岩崎さんは「実現できたかどうか分かりませんが」と仰っているけれど、この作品は誰が読んでも面白いと思う作品に仕上がっていると、僕は思う。


それから、この作品が僕にとって面白かったの理由がもう一点ある。それは、主人公の「みなみ」がとてもかっこ良くて魅力的だったからだ。

彼女にはそういう所があった。考えるより先に、まず行動するのだ。
野球部のマネージャーになったのもそうだった。まず「野球部を甲子園に連れていく」と決めてしまった。そして、そう決めたらもう考えるのをやめ、すぐに行動に移したのである。(P.6)

物語が始まってこのわずか6ページ目で、僕はこの作品は絶対に面白いなと感じたのだ。まず「行動ありき」というのは、僕の信条でもあり理念でもある。そして主人公のみなみも、そのような意思を持つ人間として描かれていた。しかも僕なんかよりも、行動に対する意思が段違いに強烈だ。それでも物語の主人公との共通部分を見つけたから、僕はこの本を他の本よりも楽しく読めたのだと思う。久しぶりに、文句無しに面白いと思える本と出合えて良かった。


書評・感想もたくさんあります
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら | ただのオタクと思うなよ
http://d.hatena.ne.jp/iconoclasm0506/20091215/p1
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら | rennyの備忘録 (投資信託をコツコツinvest #k2k2)
http://gaballscreen.blog27.fc2.com/blog-entry-262.html
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「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を読んだ | 成功する野球留学・スポーツ留学:行列の出来る教授の相談所&ときどきスポーツ名言
http://blog.miyabimura.com/article/33961541.html