ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則


時代を超えて生存する企業を「ビジョナリーカンパニー」と称し、そこに共通する原則を解明する。アメリカの著名な企業も多く登場し、読み応え十分。真に卓越した企業とそれ以外の企業との違いは一体どこにあるのか、本書を読んで少し理解できた気がする。

ビジョナリー・カンパニーとはなんだろうか。ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与え続けてきた企業である。

ビジョナリー・カンパニーとはなにか。

素晴らしいアイデアを持っていたり、素晴らしいビジョンを持ったカリスマ指導者であるのは、「時を告げること」であり、一人の指導者の時代をはるかに超えて、いくつもの商品のライフサイクルを通じて繁栄し続ける会社を築くのは、「時計を作ること」である。

ビル・ヒューレットとデーブ・パッカードの究極の作品は、音響用オシロスコープでも電卓でもない。ヒューレット・パッカード社と、HPウェイである。

企業が繁栄し続けるためには「時を告げる」のではなく「時計を作る」。製品でもサービスでもなく、企業を繁栄させ続けるということのみを考える。

ビジョナリー・カンパニーでは、基本理念の力が比較対象企業よりもはるかに強い。

一言で言えば、ビジョナリー・カンパニーンの理念に不可欠な要素は無い。私達の調査結果によれば、理念が本物であり、企業がどこまで理念を貫き通しているかの方が、理念の内容よりも重要である。

世界は変化している。この難題に組織が対応するには、企業として前進しながら[その基礎となる]信念以外の組織の全てを変える覚悟で臨まなければならない。・・・・・・組織にとっての聖域はその基礎となる経営理念だけと考えるべきである。

ビジョナリー・カンパニーでは、基本理念と、それを貫き通す力が必要。

ロイ・ディズニーは、弟の夢を実現してウォルト・ディズニー・ワールドを建設するために、命を捧げたともいえる。楽しみにしていた引退を諦めて、施設全体がディズニーの品質を保てるようし、工事の完成まで監督し、開園式でテープを切った。この記念すべき行事からわずか二ヶ月で、ロイ・ディズニーは死亡している。

ここまで自分を賭けられたらすごい。尊敬する。自分もこのくらいの覚悟でやりたい。

ビジョナリー・カンパニーに比較対象企業より顕著にみられる特徴のなかに、カルトと共通した点が以下の四つあることがわかった。
・理念への熱狂
・教化への努力
・同質性への追求
・エリート主義

ビジョナリー・カンパニーにはカルトのような文化がある。企業に心酔するってことなのかな。そのくらい傾倒できる企業があったら良いだろうな。

結果がどうなるか、正確に予想できなくても、かまうことはない。何かをやる。一つが失敗したら、次を試してみる。手直し、試し、行動し、調整し、動き、全身する。何があっても、じっとしていてはだめだ。

まず行動する。高度してから考える。企業でも行動ありき。

ビジョナリー・カンパニーと比較対象企業の差をもたらしている最大の要因は、経営者の質ではない。重要なのは、優秀な経営者の継続性が保たれていること、それによって基本理念が維持されていることなのだ。

カリスマ経営者が一人いることよりも、優秀な経営者が継続することが重要。

ビジョナリー・カンパニーが飛び抜けた地位を獲得しているのは、将来を見通す力が優れているわけでも、成功のための特別な「秘密」があるからでもなく、主に、自分自身に対する要求がきわめて高いという単純な事実のためなのである。

決して満足しない。自己評価の低さは成功に繋がる?

ビジョナリー・カンパニーの真髄は、基本理念と進化への意欲を、組織の隅々にまで浸透させていることにある。目標、戦略、方針、過程、企業文化、経営陣の行動、オフィス・レイアウト、給与体系、会計システム、職務計画など、企業の動きの全てに浸透させていることにある。

こういう企業は一人ひとりの意識が違うんだろうな。


以上。
かなりテンション上がる本。経営とか起業に興味がある人には面白いはず。また再読しよう。


関連リンク
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http://www.cyberagent.co.jp/company/ceo/1998/0910.html
http://yusukebe.com/archives/08/06/22/111530.html
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