Twitter社会論 新たなリアルタイム・ウェブの潮流

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)


最近色々とTwitter関連本が出ているので、とりあえず1冊読んでみた。どんなものかと思っていたのだけれど、意外と面白かった!Twitterって既にこんなに分析されているのですね。驚きです。僕としてはもう少し薄い内容なのかなと思っていたのだけれど、非常に様々な観点からTwitterが分析されていて、どの項目も興味深い内容でした。最近はiPhoneの機動力もあって呟かない日は無いといった毎日を送っているのだけれど、使えば使うほど単純な仕組みのサービスだなと感じる。それが故に今ものすごいブームを巻き起こしているんだろうけれど、これがそのまま続いていくかどうかということに関しては少し疑問がある。生産性を追求する僕の嗜好から言えば、ログが残りにくいこのシステムとブログは相容れないと思っている。また140文字という絶妙な長さの呟きから奇妙な満足感を得てしまい、Twitter以外の場面でアウトプットしていこうという気が奪われることは否定できない。そのため、呟こうと思ったことを敢えて呟かない、といったことも何度かある。そこで満足してそれ以上考えることをやめたくなかったからだ。Twitterは気軽に呟けるからこそこのような二面性を持っているのだと思う。だから、これから日本のユーザがどのようにTwitterと関わっていくのかとても気になるし、自分もTwitterとどうやって付き合っていくのかを考えていけたら良いな思っています。以下内容。

これまで分断されている部分が多かったネットの世界と現実社会を「リアルタイム性」によって」融合させたツイッターの功績は、とてつもなく大きい。

この「リアルタイム性」という用語はツイッターを語る際にとてもよく使われる。本書も例外ではない。確かにリアルタイム性はツイッターの特徴だと思うのだけれど、果たして本質がそこなのかということに関してはまだ懐疑的。

USエアウェイズの旅客機が、ニューヨークのハドソン川に不時着した事故だ。この第一報は、iPhoneからツイッターに書き込まれた「つぶやき」だったのだ。情報は瞬く間に広がり、既存メディアはそれを後追いするしかなかった。報道における「速報性」という重要な部分がツイッターに侵食された瞬間である。

かっこ良過ぎるような気もするのだけれど、これは正しいと思う。といようりも、個人的にそのような既存メディアに侵食していくような動きにはどんどん乗っかっていきたいと思っている。

グーグルの検索結果は「ページランク」の仕組みが知れ渡ったことで、SEO業者が過度に介する結果を招き、個人のユーザーが発信するコンテンツの質が高くても、表示の順位が低くなるという現象が生じている。結果的に必要な情報が見つけにくくなっているのだが、津行ったのリアルタイム検索は、そもそもがフラットに、個人を中心とした情報発信を時系列順に表示するため、少なくとも今のところはそういった現象は起きていない。

確かにツイッターの面白さは個人の呟きに拠るところが大きいから、ブログなどに比べてさらに属人性が強く、個人に対して平等である気がする。しかしこれもGoogleが出始めた頃に同じようなことが言われていたから、数年後にどうなっているかはわからないです。

自分の思考をあいまいなまま「垂れ流す」ことで、自分のフォロワーがそれに触発されて関連する話を始めたり、あるつぶやきをきっかけに見ず知らずに人と延々議論が始まったり、初めて飲みに行った人から「この前のあのつぶやきよかったですね」と言われ、その後お互いのつぶやきを肴にして延々盛り上がったり・・そういう、当初想定していなかったイレギュラーな出来事が次々と起き、ツイッターというサービスが著者にとってどんどん刺激的なものになっていった。

僕がツイッターのことを説明するとしたら、この「思考の垂れ流し」という言葉を使う。自分のつぶやきはまさにその通りだ。果たしてその結果がこのように良い方向に動いてくれればよいのだが、今のところ僕の周りではそこまで刺激的なことは起こっていない。楽しみではあるのだけれど。

利害関係者としてのネットユーザが情報通信政策に影響を与えられるようになるには、ツイッターをはじめとするネットがもう一つの政治活動の場にならなければならない。そうすれば政治家は当然ネットユーザを意識せざるを得なくなり、以前のようにネットの反対の声を無視して押し切ることはできなくなる。

政治という分野においても、ツイッターをはじめ様々なウェブサービスが影響を及ぼし始めている。大歓迎だ。手段はどうあれ国民全員が政治に興味を持つなんてとても面白いことだと思う。

・・・未だに多くの日本企業に「会社名を明かした状態で個人で情報発信することを嫌う」文化が根強く残っている・・・(中略)・・・日本はツイッターどころか社員にブログを禁じている会社も少なくない。

確かに情報セキュリティの観点から言えば中々難しい問題なのかもしれないが、1回くらい試験的にツイッターやブログをOKにして会社に与える影響を測定してみたいな。でもうちの会社は厳しいかなー。

あとがき


最近は本当にツイッターの文字を見ない日はないというくらい話題になっている気がする。これは僕の意識が強いせいだけではないと思う。今は日本で250万ユーザくらいということらしいけど、倍くらいはすぐいってしまいそうな気がするなー。年末に毎年やっている「今年の流行語」みたいのにも入るんじゃないかな??楽しみ。


関連リンク
http://d.hatena.ne.jp/klov/20091107/1257605254
http://d.hatena.ne.jp/the-world-is-yours/20091116/p2
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20091113
http://d.hatena.ne.jp/huyukiitoichi/20091117/1258466044
http://d.hatena.ne.jp/moroshigeki/20091121/p1
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51317216.html