「世界金融危機後」に狙う中国株

久しぶりの書評。
8月に会社の集合研修が終わって現場に配属されてから平日は忙しく、本を読んでも書評を書く余裕があまり無かった。配属されて最初の頃はとにかく遠地に出張に行く場合が多く、普通に働いていても自家に帰るのが23時過ぎになることがざらであった。残業も結構あったと思う。そんな時期が約2ヶ月程続き、10月末から今度は実地研修でまた違う部署に異動する事になり、現在はその実地研修先で働いている。こっちの部署は前の部署は前の部署とは違ってユルく、遠くまで出張することも無ければ夜中の3時まで資料作りをすることもなく、かなりの割合で18時までには帰してもらっている。たぶん他の事業部から新人が研修で来てもそんなにこき使う訳にはいかないんだろう。僕としては色々さらせてもらわないと研修の意味が無いという部分もあるのだが。まあその辺の愚痴はまた今度書くかもしれないし書かないかもしれない。
そんな状況で意外と時間に余裕があるので、また書評を書いていきたいと思った。とにかく書評を書かなかった本の内容をかなりの確率で忘れるということを最近体感したので、少しでもいいからアウトプットしていかなければマズイのである。


「世界金融危機後」に狙う中国株

「世界金融危機後」に狙う中国株


最近はまっている中国株の話。中国株にテーマを絞ると、出版されている本は意外と少ない。渋谷の紀伊国屋で中国株のコーナーを物色しても、平積みされている本の発行日が4年前とかで驚く。そんな中で網羅的な情報を載せている本を探していたところ、2009/7/25発行の本書を見つけたので購入。以下内容について。

中国株をやるメリット

  • 日本のように成熟した国に投資するよりも、これからの成長が予想される新興国に投資した方が効率が良い。
  • 中国は労働人口が拡大し続けており、どんどん物が売れるようになる。
  • 中国の一人当たりのGDPは日本の約1/13であり、生活水準が向上する余地が大いに残されている。
  • 中国ではかつての日本や米国に到来したような内部から発生したバブルというものがまだ到来していない。


中国株をやるメリットはまだ成長過程でありかつ大きく成長することが予想できるから。可能であればもっと中国に投資してみたい。

注意点


中国株をやる際は為替リスクに気を付けなければならない。
当然のことではあるのだが、為替に疎い僕としてはもっと勉強しなければいけない部分だと思った。実際に、香港電灯の株を買ってその価値を日本円に換算してみたら、早速為替変動部分でマイナスとなっていてびっくりした。FXとかやって実際に体験してしまうのが一番早いかも。FXは触ったこと無いから良く分からないんだよな。今度勉強しよう。

銘柄の情報と中国産業について


本書の後半部分は銘柄紹介にページが割かれている。かなりのボリュームであり、内容も非常に濃いものとなっている。
紹介されているのは中国石油、中国移動、中国人寿保険中国工商銀行万科企業・・・などそれぞれの業界を代表する大企業であり、銘柄選択というよりも中国産業の現状を理解するという意味でとても勉強になる部分が多かった。ひとつの会社の業績や展望を理解するためには当然その国の環境も知っていなければならず、それぞれの企業の解説を読んでいくうちに何となく中国という国の産業がどのように動いているのかということが分かった気がする。例えば、中国はまだ国家の力の割合が非常に強く、民間の企業であってもかなりの割合で国の力が入っている。そのため、中国の企業を見る場合には、中国という国がどのような仕組みで動いているのかということを理解しなければならない。またインフラ構造は整っているとは言い難く、国が成長していく上でそこは非常に大事なポイントになると思った。

あとがき


本書を見て購入する銘柄を決めるというのは面白くないかもしれない。なぜなら、紹介されている銘柄のほとんどが業界トップ企業だからだ。しかし業界トップ企業の詳しい解説を読むということは大変意義深い。それだけでその業界が今どのように動いているのかが分かってしまうからだ。なので中国株に興味がある人はもちろんだが、中国の産業構造を知りたい人が読んでも面白いのではないかと思う。


何だかどんな感じで書評を書いていたか忘れてしまった。思考しても軽いアウトプットがどんどんtwitterに流れてしまう。周りでうまく使い分けている人を参考にするか。