マッキンゼー ITの本質
作者:横浜信一/萩平和巳/金平直人/大隈健史/琴坂将広/
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2005/3/3
マッキンゼー ITの本質 情報システムを活かした「業務改革」で利益を創出する (The McKinsey anthology)
- 作者: 横浜信一,萩平和巳,金平直人,大隈健史,琴坂将広,鈴木立哉
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/03/04
- メディア: 単行本
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"質の高いIT"と平凡なITシステムは何が違うのか
質の高いIT投資の本質でもあり、今後の企業におけるIT投資の大前提でもある。ITはあくまでもビジネスモデルを支える道具であり、戦略・業務といった目的のために使われる手段でなければならない。
企業におけるCIOの役割
- 実際に今求められてるCIOとは、業務改革・改善などを語り、事業価値の向上を考え、推進するリーダーである。(中略)真のCIOは、事業成功の本質や業務プロセスのカギ、会社全体の情報の流れ・業務フローなどを対極的に把握し、その改革・改善の全社的リーダーシップを発揮する役員であり、CEOに最も近いポジションの一つとも言える。
- 効率を確保したCIOにとって、効果の向上に向けた次のステップは、事業部門のリーダーたちと強固な関係を築き上げることである。
- 経営会議にITの意思決定を持ち込む。
CIOと情報部門は、他の事業部門と対等の関係か、もしくはより経営層に近い立場になくてはならない。IT投資とはそれだけ重要度が高いものなのである。そしてまた、ITは情報部門が単独に行うものではなく、各事業部が業務の一環として情報部門と握りながら行わなければならない。このような流れは今後一層加速していくだろう。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソージング)とオフショア・ビジネス
- アウトソーシングは、発注会社が独力で出来るはずの改善を上回るパフォーマンスを提供できて始めて価値を持つ。
- デルをはじめとするコンピュータ・メーカーやその他多くの金融サービス業が、オフショアリングを単なるコスト削減などの取り組みとしてだけではなく、それを超えた業務のコア部分のアウトソースや、周辺市場への参入戦略に利用し始めているという新たな動きである。これらの企業は、アジアの発展途上国の企業が持つ非常に優れた人材と高い生産性を自社の業務能力の向上に役立てるだけではなく、自社のビジネスのコア部分(コンポーネント設計など)をアウトソースし、また彼らの周辺市場参入戦略を加速させるために利用しようとしている。
- このような独特の組織上のモデルによって、オフショア企業は欧米の顧客企業に対し、自国で得られるよりも高水準のパフォーマンスを提供することを可能にしている。
BPOやオフショアは、今や単なるコスト削減の手段ではなく、より高い品質を生み出すための手段に生まれ変わろうとしている。欧米企業が自社のビジネスのコア部分をアウトソースしていることがその証拠である。またアジアにおいては従業員に対する管理職の割合が多く、マネジャーが従業員のスキル向上に多くの時間を割くことができるのも理由のひとつである。
最後に
あるべきは、情報システム部でなく、業務システム部
わざわざ特大フォントにしてまで言いたいのは、つまりこのことなのである。社内の専門のコンピュータ屋ではもうこれからのビジネスに対応し切れない。これから必要なのは"業務"と"システム"を一緒に考え、また各事業部門と対等な関係で業務プロセスに関する合意を獲得していくというプロセスなのである。
追記
最近になって基本情報技術者の勉強をまともにやり始めたので、今までに比べて少し本を読む時間が経るかもしれない。主に行きの通勤時間30分が勝負で、そこでどのくらい本を読み進められるかによって、今月の読書冊数も変わってくると思う。しっかり勉強を頑張らなくては。