アイデアのつくり方

作者:ジェームス・W・ヤング
出版社:阪急コミュニケーションズ
発売日:1988/4/8
評価:★★★★☆

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

とても薄くて、文字数も少ない本だが、その中に文字通りアイデアのつくり方が凝縮されている。1988年に発売された本にもかかわらず、現代でも他の書籍と比べて遜色が無いほどだ。アイデアに対する考え方の根幹にあるものがしっかりと文章化され、整理されている。本書の内容をしっかりと胸に留めておくことで、アイデアというものが何なのか分からなくなった時に、基本に立ち返ることが出来るだろう。


重要な要素は、以下の2点。

即ち、イデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもないということである。


このことを覚えておくと、アイデア作りに対する抵抗感が綺麗さっぱり無くなると同時に、新しいアイデアが要求された時のとても重要な武器となる。
イデアを生み出すという行為は、どちらかと言えば水平思考に近い。そして水平思考は、事象に対してある程度のブレイクスルーを必要とする。しかし既存のアイデアを組み合わせるという行為は、どちらかと言えば垂直思考寄りである。そして垂直思考を一定の深さまで掘り進めていった結果生まれたアイデアが、水平思考を広げた時に比べて価値が劣るということはない。故に、新しいアイデアというのは、考えさえすれば誰にでも生み出すことができるものと言うことができる。というトンデモな仮説を立ててみたが、どうだろう。

イデアの作られる全過程ないし方法

  1. 資料集め―諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料と。
  2. 諸君の心の中でこれらの資料に手を加えること。
  3. 孵化段階。そこでは諸君は意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。
  4. イデアの実際上の誕生。<ユーレカ!分かった!みつけた!>という段階。そして
  5. 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。


本書から得られる最重要エッセンスが、以上の過程・方法である。発想法に関しては色々な本が出ていたりするが、まとめるとこの五段階である。そしてこの方法は、今も昔も変わらないアイデアのつくり方の大原則として利用されている。アイデアに煮詰まったらこの過程を意識してみると良い。まずは情報収集、そして加工、放置、誕生、具体化、である。

追記

読む本がなくなるのは嫌なので、セブンアンドワイでちまちまと注文していたら、大量の本が積み上げられてしまった。と同時にお金をどんどん消費してしまっていることに気が付いた。本代が給料の1〜2割を占めてしまっているという状況。ただ自己投資は惜しまないことにしているので、気にしないことにした。20代でできるだけ自己投資して、30代になったら稼ぎにいく、と友人が言っていた。僕もそういう人生プランを描きたい。