企業戦略としてのデザイン アップルはいかにして顧客の心をつかんだか

作者:Robert Brunner,Stewart Emery,Russ Hall
出版社:アスキー・メディアワークス
発売日:2008/12/22
評価:★★★☆☆

企業戦略としてのデザイン アップルはいかにして顧客の心をつかんだか

企業戦略としてのデザイン アップルはいかにして顧客の心をつかんだか

デザインの重要性、デザインの持つ意味、企業戦略とデザイン。

デザインとは

  • 完成したデザインは、顧客の目に入り、顧客が操作し、接するものを包み込むものでなければならない。顧客があなたの会社について体験する全てのもの、製品について意見を形成し、期待を育てていくために使う全てのものがデザインである。
  • 効果的なデザインは、企業と顧客の間に情緒的感情的な結びつきを作り上げ、その関係はブランドのトータル・エクスペリエンスを通じて発展する。製品やサービスはトータル・エクスペリエンスのポータル(入口)として機能する。

デザインは単なる見た目ではなく、製品と顧客をつなぐ接点である。顧客はデザインを通じて企業をイメージ・想像する。

情緒的

消費者はどのような基準で商品を選択するのか。情緒的なレベルで選択するのである。(中略)"ソニーはいいブランドだし、サムスンもいいブランドだ"、"うんあれの雰囲気が気に入った"、"うちに合うだろうか"。

顧客の情緒的な側面は定量化しにくいので、企業はその重要性を十分に認識していない。実際には顧客は情緒的なレベルで製品を選択する。

デザインの作り方

  • デザインは後からの思いつきやごまかしであってはならない。デザインは出発点なのである。
  • ジョブズが言っているように、"人々が愛するような"製品を作ることがデザインだ。
  • デザイン主導企業になるともりなら、上から下まで全ての人々がデザインに積極的に関わらなければならない。

顧客と企業が触れ合う場所がデザインなのだから、製品はデザイン主導で作る必要がある。

ブランドとロゴ

  • ハーレーは、ハーレーのブランドがどこに生きているかを知っているのだ。それはハーレーの本社ではなく、オープン・ロードを走るライダーの胸のうちに生きている。
  • ブランドとは、企業が何を言っているかではなく、人々が企業について何を言っているかである。
  • ブランドは顧客の心の中に生きており、企業ができるのはブランドに影響を与えることだけだ。

ブランドはロゴではない。ブランドは人々の心の中にある。

カスタマー・エクスペリエンス

  • 製品は偶像になり名所になる。そして、特定のコミュニティにとって、製品はユニークなエクスペリエンスへの入り口になる。
  • 全ての社員がカスタマー・エクスペリエンスに対して自分が与える影響を明確にし、それを理解して、評価基準を作り、達成した社員を報奨する。全員である。
  • デザインは、会社の本当の価値を具体的なカスタマー・エクスペリエンスと感情的情緒的反応という形でドラマチックに表現する製品やサービスを作り出さなければならないのである。
  • 大切なのは、顧客のニーズ、希望を理解し、それに応えることだ。そして、あなたの会社だけのユニークな方法を使って、顧客があなたの会社を気に入るようにするのである。

カスタマー・エクスペリエンスのためのデザイン。
顧客の希望を理解し、社員一人ひとりがそれに応える形でデザインを考え、製品を作らなくてはならない。

デザイン・戦略

  • デザインでは、リスクは禁句ではない。チャンスをつかんで新たな場所に進まなければならない。
  • え?会社の未来の青写真をアート・スクールの卒業生たちに渡せというのか?私たちの答えはイエスである。

オリジナルになるためにはリスクは不可欠である。リスクは予め戦略に組み込んでおく必要がある。


読んだ本を記録しておくのは、時間との関係で、中々難しい。
チェックをつけた所を引っ張ってきただけのこの記事でも、40分の時間がかかっている。
もっと簡単にして、回転率を上げて、溜まっている本のメモを処理していきます。