お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方

作者:橘玲
出版社:幻冬舎
発売日:2002/12/10
評価:★★★

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門

僕は基本的に仕事とプライベートを切り分けたいと感じる人間だ。
仕事が面白くなって、自分の時間を仕事に充てても構わないという心境になっても、仕事とは別にやりたいことを自由にやれる時間は確保するべきだと思う。
だから、例え今週試験が2回あったとしても、自分の時間に研修の勉強をするつもりはない。
逆にそのくらいの心構えでいれば、講義中に講義内容を覚えてしまうことなど容易い。
家に帰って復習しようなどと思わないで、会社にいる間集中して家には宿題を持ち帰らないようにする方が、圧倒的に効率がいい。


そんな訳で、今週は試験を受けつつ本を5冊以上読むのが目標。


今回が1冊目。

資産形成


資産というものに対する考え方と、資産運用の様々な方法をまとめてくれた本。
金持ち父さんを日本版にアレンジして、さらに内容を簡潔にしたような感じだろうか。
最初は資産形成の方程式。

資産形成=(収入−支出)+(資産×運用利回り)

この方程式から金持ちになる方法を導くと

1、収入を増やす
2、支出を減らす
3、運用利回りを上げる

となる。
単純だけど、資産形成のための基本原則だと思う。


そして同時に考えておかなければならないのが、自己投資。
若いうちに行う自己投資は、年をとってから必ずリターンとなって返ってくるので、自己投資にお金を惜しむべきではない。これは鉄則。

株式投資


次は株の話なのだが、個人的には

株や先物・オプションは、現在のところ、この世でもっとも勝てる可能性の高いギャンブルです。

という結論で納得。
付け加えるとすれば、資産を分散させる手段という側面。
株式投資で大儲けなんていうのは現実味の無い話だし、実際に成功したとしても結果論に過ぎない。


経済情勢の予測は不可能という話は
戦略のパラドックス - THINK CIRCUIT
でも書いたし、どんなに優れた企業でも、何か一つのミスで潰れてしまうという可能性は多いにあり得る。
株式投資を四年以上経験して僕が得た最も優れた投資戦略は、大企業の株を一年くらい持ち続けることだ。
株価が取得単価より高くなっていれば売ればいいし、安くなっていればもう一年同じ事をすればいいだけであって、そもそも個人が株を売買するのに財務諸表やチャートを見ても情報が遅すぎて機関投資家の食い物にされるだけだと思う。

不動産。それから生命保険。


持ち家と賃貸はどちらが得か、という話。
これはもういたちごっこの様な話で、ロジックで説明するのはすごく難しのだけど、本書には十分に論理的な比較方法が書かれていた。
しかし。

家を所有すればそれだけで幸福度が増すというのは、かなり特殊な発想です。(中略)家の価値というのは、土地の値段と建物の値段の合計です。それ以外に「精神的な価値」のようなものがあるわけではありません。

ここだけは若干疑問を覚えた。
持ち家があるということは、精神的な安定につながる部分があると思う。
実家に帰ると安心するという感覚は誰もが経験したことがあるだろう。
僕は基本的に持ち家信仰だ。


生命保険については未だにあまり資産運用の対象と見ることが出来ないのだが、この認識はあながち間違っていなかったらしい。

世の中には生命保険を資産運用の一種と信じ込んでいる人がいますが、これは完全な誤解です。

生命保険で資産運用するという感覚がどうも掴めない…。
とはいえ生命保険にはあまり触れたことが無いので何とも言えないといったところ。
しかし僕も働き始めて生命保険に加入したので、もう少し勉強しなければ。

税金と節税


後半は主に税金と節税に関係した話になる。


税金については、主にサラリーマン向けの税金講座といったところ。
厚生年金・国民年金・健康保険・所得税など、普段給料から天引きされているのであまり気にかけない部分について、サラリーマンがどれだけ税金を払っているのかということを教えてくれる。
そして、節税するためには「法人成り」するのが一番の近道であるということだった。
このあたりは中々実行するのが難しそうなものが多いのだが、その分もっと学んで挑戦してみたいとも思う。

まとめ


個人の資産というものについて非常にバランスよく色々な知識がまとめられた良書。
具体的な指針を示すということはしていないので、行動に落とし込むのは難しいかもしれないが、お金の勉強をするにはもってこいだと思う。
ここから派生して、不動産なり株式なり投信なりについて学ぶと楽しいんじゃないだろうか。


金持ち父さん貧乏父さん

金持ち父さん貧乏父さん