まじめの罠
- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: 新書
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物事に対してまじめに取り組むのはとても良い事だと思いますが、間違ったことにまじめに取り組んでは駄目だと思いますね。自分が取り組んでいる仕事が、組織の中だけではなくて、組織外の基準から考えても、間違っていないか、と言う事を常に考えることが大切だと思います。組織の枠内にいるからと言って、その中の規律や方法の通りに仕事をしてしまうと、最後に損をするのは自分だと思いますよ。中々面白かったので満足。
memo
まじめの罠とは
- 「まじめの罠」とは、何かに対して、まじめに、まじめに努力した結果、自分を、あるいは社会を悪い方向に導いてしまうリスクのこと。
まじめの罠に気付く能力は?
- 「全ての前提を疑ってみる」「全ての前提を鵜呑みにしない」考え方が必要。
- 「ゼロベース思考」
- 「ふまじめ」の能力を磨く。「まじめな人」ほど、与えられた解の範囲(ソリューションスペース)の中だけで全てを解こうとする。まじめな人ほど、自分ではそのソリューションスペースを認知できない。
なぜまじめの罠に嵌ってしまうのか
まじめの罠に嵌ってしまうメカニズム
- 特別な身体感覚を必要としない実務的なものであれば、世の中にある「仕事」と言われるものの大半は、だいたい3年くらい取り組めばたいていのことは殆ど分かってしまい、それ以降の成長は微々たるものとなる。
- 人気企業というのは、事なかれ主義、減点主義で育った人たちが殺到するので、やがて会社全体にも事なかれ主義や減点主義が蔓延し、10年、20年も経つとほころびが出てくる。
- まじめな人は異質なものを排除する。多様性があること事態が許せない=自分の行ってきたものとは違う手法で物事に取り組む人を見たりすると、何を信じたらいいか分からなくなって自分のまじめさを維持できなくなる。
- まじめな人は、結婚や仕事といったことにすら無謬性を求めてしまう。だから、誰かが転職を繰り返しているのに、あるいは離婚を何度も経験しているのに幸せそうな顔をして行きていたりすると困る。なぜなら、自分だって本当はそうしたいのを我慢している場合が多いから。
まじめの罠の害悪
- さまざまな場面で「頑張っても報われない自分」に気付いてしまうと、無意識の中でどんどん、自己の「被害者意識」が増大していく。
- 常に被害者意識を持つため、まわりに攻撃的になる。
- 社会システム全体の自己修復力を毀損する=「まじめの罠」の世界においては、組織の論理と社会の論理が食い違っている。内輪の組織の論理さえ押さえておけば、自分達はその枠内においては罰を受けないという仕組みのせいで、世の中がおかしくなる。
- 組織の定めた枠内でまじめに努力を重ねる事があまりにも推奨されてしまうと、みんながそこに向かって突っ走り、その結果、おかしなことが起こる。
まじめの罠に対する処方箋
- マスメディアからの情報は、全体の3分の1くらいで十分。
- マスメディアの情報というのは、まさしくシステムの枠内の情報。
- 独自の情報源と言うのは、常に別解を求めるとか、非日常の時間を持っている人でないと、手に入れるのが難しい。
- 定点観測も独自の情報源である。
- 「どちらの行っている事も正しい」といったような曖昧な結論ではなく、最後は自分の軸で切るようなことを訓練としてやってみれば、無意識的なものが磨かれる。
- 投資期間を十分に持っていて、どんな会社でも活用可能な人材になれば、組織の論理に囚われた「まじめの罠」に嵌る必要がなくなる。