この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本

この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本

この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本

理論と答え(1)

経営戦略というのは理論であると思う。答えではない。そこには本質的な違いがある。理論とは、過去の事例から得られたファクトを体系化した学問だ。そこに求められのは、普遍的な定理であって、答えではない。一方、ビジネスの世界では、答えが存在する。答えとは、結果だ。ケースにおけるアウトプットが、経営課題というものに対する答えだ。

理論と答え(2)

多くの経営学の本では、理論を語る。成功者が書いた本は、たった一つの、答えを語っている。論理は学問で、ビジネスケースは答えという話だ。経営判断において重視されるべきは、理論だと思う。ケースは、一つしか無い。成功者が成功したのは、その時の外部環境において、そのひとしか持ち得ない経営資源を用い、その時しか無いというタイミングで行動を起こしたからである。対して、経営戦略は普遍的なものだ。全てのケースに、この理論を用いることが出来る。経営判断において頼るべきは、たった一つの答えではなく、理論であるべきでは。

memo

経営戦略
  • 企業の置かれている「経営環境」を戦場に見立てて、その環境下え、企業が「目的」を達成するために必要な打ち手。
  • 企業の目的
    • 継続的に事業を営む
    • 利益を創出する
    • 株主の期待に応えて理恵を創出し、成長していく
  • 中長期の視点を踏まえて、短期の視点での取り組みに方向性を示すものであり、経営者や社員の「思い」と施策を遂行する「現場」とをつなぐ鍵。
環境分析
    • PEST分析
      • 政治(Politics)
      • 経済(Economy)
      • 社会(Society)
      • 技術(Techology)
    • 5Forces分析
      • 業界内の敵対関係
      • 新規参入の脅威
      • 代替品の脅威
      • 供給者の交渉力
      • 顧客の交渉力
    • VRIO分析
      • 経済価値(Value
      • 希少性(Rarity)
      • 模倣困難性(Inimitability)
      • 組織(Organization)
  • 内部・外部統合分析
    • 3C分析
      • 顧客(Customer)
      • 競合(Competitor)
      • 自社(Company)
    • SWOT分析
      • 強み(Strength)
      • 弱み(Weakness)
      • 機会(Opporyunity)
      • 脅威(Threat)
事業戦略
    • デレク・エイベルの「DFT」
      • 顧客(Customer):どんな顧客に提供するのか
      • 機能(Function):どんな機能(価値)を提供するのか
      • 技術(Technology):どんな技術によって提供するのか
  • 競争優位性
    • 戦略ターゲット(業界全体、特定分野)
    • 競争優位性構築の手段(低コスト、顧客が認める特異性)
  • アンゾフの成長ベクトル
    • 製品(既存、新規)
    • 市場(既存、新規)
資源配分の検討
    • 相対的ターゲット市場(高、低)
    • 市場成長率(高、低)
    • 導入期、成長期、成熟期、衰退期
  • GEのビジネス・スクリーン
    • 業界魅力度(高、中、低)
    • 事業地位(高、中、低)
戦略を動かすための仕組みづくり
  • することを具体化する6W2H
    • Who、When、Where、What、Whom、How、Hou much、Why
  • バランスト・スコア・カード(BSC)の4つの視点
    • 学習と成長視点
    • 内部事業プロセス視点
    • 顧客視点
    • 財務業績視点
  • 戦略のために組織をを整えるフロー
    • 組織構造の検討(「職能性組織」「事業部制組織」「マトリクス型組織」
    • 必要に応じて、タスクフォースチームの組織
    • 経営資源の獲得(「内製化」「市場取引」「提携」)
企業全体のパフォーマンスを向上させるための全社戦略
  • 事業パフォーマンスによる管理
    • 自社の競争力
    • 市場の魅力度
個別事業の競争有意を構築する事業戦略の実践
  • 事業戦略策定のプロセス
    • 目的、定量目的設定、プレ分析、現状分析、戦略方向性の策定、ファージビリティスタディ、施策策定、計画化、実行
  • プレ分析
  • 「事業スキーム」ではどこから何を仕入れて、どのような顧客に販売するのか、プレーヤー毎にプロットする。
  • バリューチェーン」では自社の事業プロセスを把握する。
  • 業界俯瞰
  • マクロ環境動態(PEST等)→隣接業界(5Forces)→対象業界(3C)
  • 現状分析
  • 市場規模=平均単科×市場数量
    • 分析した業界が「成長しているか」「衰退しているか」おおまかなトレンドをつかむ。
  • 顧客(ユーザ)のセグメンテーションを行う
  • 競争ベンチマークで自社の競争力を測る
    • 自社・競合定量分析
    • バリューチェーン分析
    • ターゲット顧客分析
    • 製品・サービス分析
      • 以上を全て競合と比較した上で「KFSの抽出と充足状況評価」を行う。
  • 戦略方向性を策定する
    • 複数の戦略代替案を練り上げる
不確実性の時代における"新しい"戦略論の潮流
  • 企業を取り巻く環境は、起こりうる可能性が予測できるレベルの「リスク」を通り越し、何が起きるか予想できない「不確実性」の時代へ変化している。
  • そのような状況下では、「意図的に計画された戦略」に則ってアクションをとり続ける事は難しくなっている。
  • これまでの"戦略論"と"新たな戦略論"の違いは、マイケル・ポーターとヘンリー・ミンツバーグの一連の論争を紐解くと理解できる。
  • 経営戦略論としてのポジショニング理論は、ポーターが1980年代に発表した「競争の戦略」や「競争優位の戦略」が起源とされる。
  • 当初想定し得なかった環境の変化に直面した際には、その環境変化に柔軟に対応し、当初計画していた「意図された戦略」を「変化した環境に適した戦略」へと変化させる事が求められる。
  • 意図された計画的なこれまでの戦略の重要性を無視するのではなく、「創発的戦略」を活用する事とのバランスが重要となる。
  • イノベーション創出の可能性を高めるKEJFサイクル
    • Knowledge、Experience、Learning、Feedback


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