ザッポスの奇跡(改訂版) アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略

ザッポスの奇跡(改訂版)?アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略?

ザッポスの奇跡(改訂版)?アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略?

ザッポス伝説に引き続き、その魅力に魅かれてザッポスの本をもう一冊読んだ。ザッポス伝説がトニー・シェイの生い立ちから現在までをドキュメンタリー形式で追うのに対して、ザッポスの奇跡ではザッポスという会社がなぜこれほどまでに注目されるようになったかという、新経営手法、ザッポス・カルチャーの分析を行う。ザッポス伝説と同様に熱気が伝わってくる本であり、こんな会社は世界中探しても他にないのではないかという、ザッポス独自のカルチャー戦略には、読んでいて胸が踊らされる。まだ読んでいない人は是非。

テーマ

  • 笑いがあふれる楽しい職場を作る
  • 社員も、顧客も、経営者も幸せになれる会社を作る
  • 社員の「個」が発揮され、活かされる会社を作る

ザッポスのサービス

  • ザッポスは流通会社ではなく、ディズニーやリッツカールトンと同様に「サービス」を売る会社。
  • サービスは顧客ロイヤリティを築くための投資。
  • ザッポスは「たまたま販売業を営んでいるにすぎない」、サービスカンパニーである。
  • どういう会社が不況を乗り切れるか→みんなが、会社という共同体のために一生懸命働く会社。「固く団結する会社」
  • ザッポスでは企業文化を最優先に考える。営業、商品開発、マーケティングが最優先ではない。
  • カスタマーサービス」は部門名ではなく、会社全体の基盤。
  • エンパワーメント=社員の自主性を重んじて、自立的行動や発想を促す環境をつくること。
  • 紋切り型の顧客対応からは感動は生まれない。社員が500人居たら、500通りの時味があって然るべき。

コア・バリュー

  1. サービスを通して「ワオ!」という驚きの体験を届ける
  2. 変化を受け入れ、変化を推進する
  3. 楽しさとちょっと変なものを想像する
  4. 冒険好きで、創造的で、オープン・マインドであれ
  5. 成長と学びを追求する
  6. コミュニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く
  7. ポジティブなチームとファミリー精神を築く
  8. より少ないものからより多くの成果を
  9. 情熱と強い意志を持て
  10. 謙虚であれ
  • ザッポスでは企業文化こそが経営戦略の柱である。
  • コア・バリューはカルチャーを実現し、毎日の行動に反映する。
  • コア・バリューは家に帰ると脱ぎ捨てられ忘れられるものではない。社員のパーソナル・ライフの一部である。
  • 採用では技能や職業経験よりも「カルチャー・フィット(文化適正)」するかを優先。
  • サービス文化を重んじる企業では、「部門間を超えた人材活用」の習わしを持っているところが多い。
  • 2000ドルの採用辞退ボーナス。

人を最大の資源と考える

  • 社員が情熱を傾ける目標を与える「パイプライン」こそザッポス流の「新・終身雇用」
  • 謙虚であること。人間でも会社でも、傲慢になったら必ず崩壊する。
  • コア・バリューを真似る必要は無く、社員全員が気持ちを注げるものを決めれば良い。
  • 「社員・顧客・会社」のトリプル・ハピネスを目指す。

「個」を活かす

  • これまでの企業やサービスの現場の在り方は、社員の「個」を押さえ込むように作られてきた。これからは社員の「個」を活かさなくては競争に勝てない。
  • 顧客にとっては社員こそが「ブランド」である。
  • 「顧客主導」ではなく「個・主導」の時代には「社員」という「個」の力を活かすことが最大の課題である。
  • 社員をやる気にさせるにはお金ではなく「所属欲求」「自己実現欲求」「承認欲求」に訴える。社員のやる気はお金では買えない。

参考図書

リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間

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