フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ハードカバー
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フリーのパラドックス
フリーのビジネスモデル
フリーの心理学
- <無料>を質の低下だと考える時と考えない時がある。
- それまでお金を払っていた物が無料になると、私たちは質が落ちたと考えやすい。
- しかし、最初から無料だったものは、質が悪いとは思わない。
- 無料に対する感情は絶対的な物ではなく、相対的なものである。
お金の方程式
- お金を払わないために時間をかける事は、「最低賃金以下で働いている事」を意味する。
Google型モデル
- Googleは一握りのコアプロダクトからの広告料から大金を稼いでいる。
- そのほとんどは検索結果の表示画面や、提携したウェブサイト上に広告を載せる事によるものだ。
- それで他のすべてをフリーにできるのだ。
- 現在のGoogleは、世界中に36かそれ以上あるデータセンタに推定で約50万台のサーバを展開している。
- データセンターは主として電気料金の安い、アメリカ大西洋岸北西部の水力発電所のそばなどにある。
- 他の企業のデータコストも安いが、Googleは規模の経済によってもっともっと安くなり、さらにはコストが低下するスピードも早いのだ。
- Googleが情報を無料にしたがるのは、情報コストが下がれば、より多くのお金が稼げるからだ。
有料コンテンツの終焉
- 供給と需要 供給は増えたが需要は増えていない。
- 物質的形状の消滅 コンテンツはディスクから回線を流れるファイルへ。
- 入手し易さ 店で探してくよりダウンロードした方が簡単(探索コストの現象)
- 広告収入で運営するコンテンツへの移行 オンラインでコンテンツが無料ならば、オフラインでも無料であるべきじゃないか?
- コンピュータ業界はコンテンツを無料にしたがっている 無料コンテンツは、それを再生する機器の価値を高める(iPod)
- フリー世代 ブロードバンドと友に成長した世代。「ほぼゼロの限界費用」
- 広告とフリーミアムをあわせると、アメリカだけで楽に800億ドルの収入がある。
- 従来からある広告収入で運営されるメディアを加えると、1160億〜1500億ドルになる。
- 世界ではアメリカの3倍は軽く見込めるので、少なくとも3000億ドルになる。
食住をはじめとするマズローの言う物質的欲求を、朝から晩まで畑で働かなくても得られる世界では、コンピュータで言う「スペアサイクル」(コンピュータが何もしていない時間)、あるいは社会学者の言う「思考の余剰」を私たちは見出す。仕事だけでは活かしきれないエネルギーや知識の事だ。同時に私たちには、仕事では満たしきれない精神面や知識面の欲求もある。私たちは自分が重要だと思う領域で無償労働をすることによって、尊敬や注目や表現の機会や観客を得る事ができるのだ。(p.251 第12章 非貨幣経済)