R+(レビュープラス) COURRiER Japon

前回に引き続きレビュープラス様に献本を頂いたので、レビューをば。
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COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン) 8%OFF | 講談社 | Fujisan.co.jpの雑誌・定期購読

フランスという国には、世界の多様性を大切にする文化があります。そんなフランスで、25万部という発行部数を誇る人気雑誌が「クーリエ・アンテルナショナル」。日本版の「クーリエ・ジャポン」は、世界各国のメディアから最良の記事をピックアップするという編集コンセプトはそのままに、独自の記事セレクションを行っています。正真正銘のグローバル・マガジン、ぜひご一読を!


「COURRiER Japon」という言葉は耳にしたことがあったけれど、実際に手にとって見るのはこれが初めてだ。記事の国際性・多様性が物凄い。ここまで世界の出来事を横断的にカバーしている雑誌を読むのは、なぜかいつも美容室で読むNewsweek以来かもしれない。


記事タイトル

  • 政権交代SPECIAL 世界が見た"日本のCHANGE"
  • 勝間和代責任編集 いま、なぜ「アフリカ」なのか
  • ラテン・カルチャーを知る「15」のキーワード
  • 活字メディアの未来第3弾 雑誌が「消える」日


この中でもそれぞれの記事に対して世界中の反応が書かれていて、普段家と会社を往復しているだけの生活をしている僕にとってはとても新鮮な情報が頭に入ってきた感じがした。しかも記事がただグローバルな情報を扱っていると言うだけではなくて、一つ一つの記事の内容もしっかりと練り上げられている。雑誌の記事の書き方というのは少し特殊なので、速読に耐えうる文章ではないのだけれど、これに限って言えば、じっくりを読む時間を費やす価値があるのでは、と思った。


当初は勝間和代さんの『いま、なぜ「アフリカ」なのか』に興味があったのだけれど、個人的に印象に残ったのは、『活字メディアの未来第3弾 雑誌が「消える」日』であった。勿論勝間さんの記事もとても面白いものではあったし、それについて言いたいこと、書きたいこともあるのだけれど、丁度タイムリーに僕の興味を拾ってくれた雑誌についての内容に触れたいと思う。

活字メディアの未来第3弾 雑誌が「消える」日


こういう風に雑誌のレビューを書かせて頂いて、雑誌というものが興味の対象に入ってきたここ最近の感覚からいくと、このタイトルには興味をそそられる。内容としては米国の大手雑誌出版社コンデナストの会長サミュエル・I・ニューハウスを取り上げ、ニューハウスの雑誌に賭ける想いと、世界の雑誌が歩んできた軌跡、昨今の雑誌業界の苦戦などが、見開き7ページにも及んで書き綴られている。

この世紀の"大転換"が、インターネットの出現に依るものであることは言うまでもない。読者の関心はますますネット上のコミュニケーション媒体に移行しており、雑誌はそうした読者との接点を失わぬようネット事業の強化に乗り出している。もはや雑誌もマルチメディアとして展開しなければ生き残れないのだ。


ここ最近は人々の娯楽媒体が多様化し出版不況が加速しているという話をよく耳にする。コンデナストはここ2年で6誌もの雑誌を廃刊にしたらしい。インターネットの普及によって、確かにこうした紙媒体のメディアというものは、既得権益に守られていた時代に比べてお気楽な立場ではいられなくなってきたのかもしれない。僕にも出版社に勤めている友人がいるが、以前会って話を聞いたところ、出版社の未来というものは決して明るいというものではないということだった。
しかしメディアに限らず、何か一つのビジネスが永続的に発展していくというのは、とても難しいことだということは、しっかりと考えておく必要がある。要は完成されたビジネスモデルに乗っかってあぐらをかいているだけでは、上手く物事が進まない時がくるなんてのは当然のことだ。それをインターネットのせいにするのはお門違いであって、むしろ友好的に新しい技術を迎えてやればいいんじゃないのか。それができないないのならば、品質の面で弛まぬ努力を続けるしかないんじゃあないだろうか。

エコノミスト」は競合2誌(Newsweek、TIME)とは異なり、デジタル革命による逆風を受けるどころか、むしろそのおかげで存在感が高まった。(中略)つまり、デジタル媒体はアナログ媒体を必ずしも破壊するわけではないことがわかる。(中略)一つ言えることは、「勝負は品質次第」ということだ。


そうそう、結局は勝負は品質次第。だって、少なくとも僕がこの地球で生きている間に雑誌がなくなるなんてことは、正直言って考えられない。あの手軽さと情報量。いくらインターネットが普及したとしても、"紙"であるという壁をITが乗り越えるのに、あと1世紀は必要でしょう。その間にしっかりと雑誌業界が雑誌というものについて考え、品質を高めていけば、今よりもずっと良いものができあがるはずなのだ。結局みんな、"良いもの"を求めているだけだと思うんだよな。そこんとこよろしくお願いします。


関連リンク
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2009/09/10-992f.html
http://blog.livedoor.jp/furudoor/archives/947235.html
http://suguri-bingo.jugem.jp/?eid=368
http://bookwormblog.seesaa.net/article/127968611.html
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