7つの習慣

作者:スティーブン・R・コヴィー
出版社:キングベアー出版
発売日:1996/12/25
評価:★★★★

7つの習慣-成功には原則があった!

7つの習慣-成功には原則があった!

先週は本を5冊読むという目標を立てていたのだが、急に土日に用事が入ってしまって結局3冊で終わってしまった。なので今週も引き続き、本を5冊読むことが目標。
ただ最近は専ら基本情報技術者の勉強に重点を置いていて、本を読めるのは往復1時間の通勤時間と研修の休み時間だけなので、相当集中して読まないと達成できないな。きっと。


今日ようやく7つの習慣を読み終わった。先週の水曜日あたりからずっと読んでいた気がする。
自己啓発・人生哲学的な本はそれ自体で完結してしまっていることに加え、本書は完成度がとても高く分量も多いので、自ら思考を巡らすという必要性にあまり駆られなかった。
これはおそらく僕の読み方がまだまだ甘いというなのだろうし、1回読んだだけではとてもじゃないが咀嚼し切れない。それでも文章自体から得られるものはたくさんあったので、可能な限りまとめて頭に残そうと思う。

インサイド・アウト(内から外へ)

あなたに本当の誠実さや人格の良さがなければ、人との関係において大きな問題に直面したとき、あなたの本当の動機が表面に表れ、その結果、人間関係が壊れ、それまで得ていた見せかけの「成功」を失ってしまうことになるだろう。

生活の中で大きな変革を遂げようとすれば、行動や態度という「葉っぱ」に心を奪われることなく、その行動や態度の源であるパラダイムという「根っこ」に働きかければならないのだ。


真に成功を求めるならば、誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、節制、黄金率などを原則として生きる必要がある。成功するために上辺だけのテクニックを駆使することは、一時的な成功をもたらすかもしれないが、そうして作り上げた成功は必ず破綻してしまう。何よりも重要なのは、今述べた原則を自分の心の中心に据え、自分に働きかけていくことである。他人に働きかけるということはつまり自分に働きかけるということであり、またそうして作り上げた成功は決して揺るがない確固たるものとなる。

人生の扉を開く

真の効果性というものには2つの側面がある。それは、目標を達成することまたは結果を手に入れること(黄金の卵)と、その毛かを手に入れるために使う資源あるいは目標を達成する能力(ガチョウ)の二つである。


目標達成(Performance)とその目標を達成するための能力(Performance Capability)にはバランスが必要であり、基本的にPCに注意を向けなくてはならない。このバランスは本書を通して何度も登場する概念であり、自分が行動する際にもよく意識しなくてはならない問題である。外界に対して効果を発揮するのは黄金の卵であるが、黄金の卵の獲得を急ぐあまりガチョウを殺してしまっては、0になってしまう。成果・結果を求めすぎると逆に何も残らなくなってしまうという概念は理解してはいるるもりだったが、言語化されたものを読むとしっかり脳に定着する。これは肝に銘じておかなければ。

第1の習慣 主体性を発揮する

「自分の価値観に基づき行動する」ことは、主体的な人の最も基本的な性質といえる。反応的な人は「その時折の感情、状況、条件付け、環境などに左右される」が、主体的な人は深く考え、選択し、内面化した価値観に基づいて自らを支配するのだ。


本書を読み終えた結果、「主体性を発揮する」という言葉を目にするだけで、その言葉が真に意味することは何なのかということを理解できるようになった。また、個人的にはモチベーションの維持・向上という限定的な捉え方もした。反応的な人は周りの多くの環境に大きな影響を受けるが、主体性を発揮することによって自らの行動が周りの環境に影響されるということがなくなる。

第2の習慣 目的を持って始める

  • 第2の習慣は、生活の様々な状況に当てはまるものであるが、最も基礎的な応用は、全ての行動を測るための尺度として、人生の最後の姿を描き、それを念頭において今日という一日を始めることである。そうすれば、自分にとって何が本当に大切なのかをベースに、今日の行動、明日の行動、来週の行動、来月の行動を計画することが出来る。
  • 正しい原則を自分の生活の中心に置けば、自分の安定性、方向性、知恵、力を開発していくためのしっかりとした土台を得ることになる。原則はそういう一貫した生活の中心になりえる唯一のものである。


第2の習慣は、言葉通りの意味で捉えることが容易である。つまり、自分の墓標になんと刻まれたいかということを常に考え、そのキーワードを目標として行動していくということである。またその際には常に心の中心に原則を据えることによって自然とそうした行動がとれるようになる。また、目標を持って始める最も簡単で大きな効果をもたらす方法として、ミッション・ステートメント(個人的な憲法、または信条)を書くということがある。ミッション・ステートメントを作成し、それを見ることの有用性は、この記事でも書いた。イメージ・トレーニングも有効であり、実際に物事に取り掛かる前に、見て、感じて、経験することで、際立った成功を収めることが出来る。

第3の習慣 重要事項を優先する

  • 効果的なマネジメントの定義は、「重要事項を優先する」ことである。リーダーシップは「重要事項」とは何なのかを決めることであり、それに対して、マネジメントはそれを優先して、毎日、瞬間瞬間において実行することである。つまりマネジメントとは自制する力であり、実行力なのだ。
  • 最も優先すべきことは何なのか、しっかりと決めておかなければならない。そして、気持ちよく、笑顔で、率直に、それ以外の事に対して「ノー」と言う勇気を持つ必要があるのだ。ためらうことなく、「ノー」と言えるようになる秘訣は、自分の中でもっと強い、燃えつ様な大きな「イエス」を持つことである。


自分にとっての重要事項を強く実行していくというのが良い。これは第2の習慣と密接に関係していて、さきほどの

人生の最後の姿を描き、それを念頭において今日という一日を始めることである。

という部分と重なる。自分の人生の最後の姿を思い描き、マネジメントしていく。マネジメントは実行力であり、これは時として目標の達成を他の人に任せるというデレゲーションにもつながる。

相互依存のパラダイム

  • 関係を築き始めるべきところはまず自分の内面であり、自分の影響の輪の中心であり、自分の人格を育てることである。
  • 人間関係を作る過程においては、いかなる技術によっても、管理のスキルによっても、大衆のために働く努力によっても、人格の欠如を補うことはできない。一人ひとりに対して愛と人生の基礎的な法則を守ることが、必要不可欠なのである。


また最初の「インサイド・アウト」が効いてくる。まずは自分を変えること、パラダイムを変えることが出発点になる。同時に原則を大事にし、人格を育む努力をする。そうすることによって初めて人間関係を構築することができる。しかしこれは最も難しく、実行する過程において、初めは痛みを伴いかねない。ただこれも一種のブレイクスルーであり、自分の行動によって人間関係を次のステップに進めることができるということを忘れてはならない。

第4の習慣 Win-Winを考える

  • Win-Winは、全ての関係において常に相互の利益を求める心と精神の事であり、お互いに満足できる合意や解決策を打ち出すことである。Win-Winによって得た解決策では、全ての当事者が心から納得しており、合意した行動計画を実行しようと決心している。
  • Win-Winの状態になるための4つのプロセス

1、問題を相手の立場から見る。本当に相手を理解するように努め、相手と同じくらい、あるいはそれ以上に、相手のニーズや
心配・関心事を表現する。
2、対処しなければならない課題と関心事(立場ではない)を明確にする。
3、完全に納得できる解決には、どういう結果を確保しなければならないかを明確にする。
4、その結果を達成するための新しい案や選択肢を打ち出す。


このWin-Winのためのプロセスはどうしても書いておきたかった。現実的な問題を考えると、いかなる場面でもWin-Winの関係になること以外に解決策は無い。一時的にWin-Loseとなり利益を得たとしても、その後どうして相手が自分と関係を持ってくれるだろうか。Win-Winの関係とは相互依存の理想的な状態であり、またこれも原則を考えることにより実行される。また、「Win-WinもしくはNo Deal」という選択肢は、新しい発見であった。

第5の習慣 理解してから理解される

  • 人間関係について私が今まで学んだ最も大切な教訓を要約すれば、それは「まず相手を理解するように努め、その後で、自分を理解してもらうようにしなさい」ということである。
  • …この最も高い傾聴レベル、感情移入をして相手の話を聞く人は少ない。


相互依存のパラダイムでは、まず自分に働きかけることが大切だと述べた。ここではさらに、人間関係を築くために、感情移入して相手の話を聞く、という事が述べられている。それは、相手に自分を理解してもらうための最初のステップである。相手が本当に自分の気持ちになって話を聞いてくれているということが分かれば、自分の気持ちを全てさらけ出すことができる。そこで相手の気持ちを理解するとは、上辺だけのテクニックのことを言っているのではない。相手以上に相手の気持ちになることで、相互依存の関係を構築することが出来る。

第6の習慣 相乗効果を発揮する

  • 相乗効果こそが、原則中心リーダーシップの本質である。それは人々に内在する大きな力を引き出し、統一し、開放を促す働きをする。今まで話してきた全ての習慣は、相乗効果の奇跡を作り出す準備に過ぎない。
  • 相乗効果の本質は、相違点、つまり知的、情緒的、心理的な相違点を学ぶことである。相違点を尊ぶ鍵は、全ての人は世界を在るがままに見ているのではなく、自分のあるがままに見ているのだということを理解することである。


ここで、今まで学んできた全ての習慣が統合される。第7の習慣は実効性についての話であり、全ての習慣はこの第6の習慣に収束される。相乗効果こそが全ての目標であり、原則を土台に積み重ねた様々な要素が統合されたものである。そしてその相乗効果の本質とは、それぞれの人間のパラダイムを理解し、お互いが異なる価値観を持っていることを知り、そのことに喜び、お互いが効果的な相互依存関係を構築することである。しかし原点に立ち返ると一番の土台となっているのはやはり「原則」であり、原則を自らの中心に置き生きることで全ての習慣を身に付けることができる。

第7の習慣 刃を研ぐ

つまりある意味で「健康的な中毒状態」を起こすまで、自ら働きかけなければならない。そして、それは自分の影響の輪の中心にあり、他の人に変わってもらうことは出来ず、自分のために、自分自身で行わなければならないものである。


実効性の問題であり、第7の習慣「刃を研ぐ」とは、今までの6つの習慣の周りを囲み外界と直接やり取りする力である。今まで培った事を胸に刻み、日々習慣付けるようにすること。如何にして実行し効果を生み出すかということ。そのことが「刃を研ぐ」という言葉に表現されている。原則を中心とした自分が、周りと接する際には、一つ一つの習慣を意識しなければならない。実行手段こそが最後の習慣であった。

追記


久しぶりに、結構な分量を書いた気がする。書けば書くほどタイピングのスピードが上がっていくという、まるで予想もしていなかった成果が出始めた。とりあえず、これが今週1冊目。明日は何を読もうか。こういうの欲しい。