メンタル・タフネス

作者:ジム・レーヤー
出版社:ワニ文庫
発売日:2003/12/5
評価:★★★

メンタル・タフネス―勝ち抜く「精神力」を手に入れる

メンタル・タフネス―勝ち抜く「精神力」を手に入れる

スポーツ選手が過酷な状況でも最高のパフォーマンスを発揮できることに注目し、そこで起こっている感情や身体への反応をビジネスマンの精神にも応用した1冊。
自己啓発・精神論寄りだが、ストレスへの考え方を今一度改めさせられた。
ポイントは、ストレスと回復のウェーブを徐々に増加させることによって、対応できる範囲が広がっていくという事。
本当にできる人というのは、ストレスとの付き合いが抜群にうまいんだろうな。

1、ジミー・コナーズの秘密
2、どうしたらタフになれるのか
3、ストレスを活かすトレーニン
4、回復のためのトレーニン
5、過酷な状況から生還する
6、タフネスと化学物質
7、感情的なタフネス
8、メンタル・タフネス
9、タフネス。トレーニングに終わりはない

内容まとめ

タフネスは、ストレスの下での柔軟性、反応力、強靭性、弾力性である。


本書で言うタフネスの意義。
真に自分のタフネスが試されるのはストレスがかけられた状況であり、如何にしてその状況に反応するかが重要。
僕は楽観主義的な性格なのであまりストレスを感じることが無いのだが、たまにストレスを感じるとすぐにへばってしまう。
だからストレスがかかった状態でタフネスを意識すると、また一歩進むことが出来て良いのかもしれない。
ではどうしたらタフになれるのか。

タフになるとは、肉体または感情的ストレスのサイクルが一定の回復期間をはさんで繰り返し徐々に増加しながら反復するときに起こる。このプロセスがタフネス・トレーニングと呼ばれる。

バランスのとれたストレスと回復のサイクルが、出来る限り人生の多くの分野で一貫して創造されるとき。健康で、幸福で、成果の多い人生は、バランスの取れた回復と刺激に満ち満ちている。


つまりストレスと回復のバランスが重要であり、10のストレスを感じたら10の回復を行い、20のストレスを感じたら20の回復、そして30、40…と徐々にストレスと回復を増加させていく事によってタフネスは向上していく。
そして多くの分野でこのサイクルを繰り返すことによって、健康で、幸福で、成果の多い人生を送ることができるようになる。
ここで注意しなければならないのは、ストレスと回復のバランスをとらずにどちらかを増加させていってしまうと、逆に人は弱くなってしまうということだ。

オーバートレーニングとアンダートレーニングの両方によって人はタフになるどころか弱くなってしまう。


オーバートレーニングとは、耐えることのできるストレスのラインを超えて負荷をかけ続けてしまうことだ。逆にアンダートレーニングとは、過度にストレスの無い状態を指す。
積極的に仕事をしている人は特にオーバートレーニングになりがちのではないだろうか。
もしそう感じる人がいたら、少しストレスを軽減させ、同じ分だけ回復を行うことが必要だ。
逆に全くストレスを感じないで生活している人は、軽度のストレスに対しても負荷を感じるようになってしまうため、一定のストレスをかけていかなければならない。そうしないと人は弱くなってしまう。

徐々に通常の限界を超えるストレスを与え、その後、失われたエネルギーを十分に回復できるようにすることでタフになれる。


しつこいようだが重要なのはストレスと回復のバランスであり、そしてそのウェーブを徐々に増加させていくことで、人は強くなっていく。
意図的にストレスをコントロールできるようになれば強い負荷にも耐えられるようになり、自分が適応できる範囲が広がっていく。

レーニングにより獲得できる回復は、人生においてもスポーツにおいてもタフネスの基本となる。あなたがよりタフになりたいなら、やるべきことはとてもシンプルである。つまり、強力なストレスのウェーブと同じくらい強力な回復のウェーブを作るノウハウを学ぶことだ。


ここでは回復の重要性を説く。
具体的にはどういうことか。

家の近くを散歩するとか、10分間の栄養補給の休憩などは、しばしば意義ある回復のウェーブを生み出すものだ。

食事、水分、睡眠を十分にとっておかないと、誰でも気力を失い、負けてしまう。どんな分野でも成功には十分な回復が必要だ。


無理に時間を割いて仕事をするより、しっかり休みをとって集中して仕事に取り組むほうが効率が良いことは、色々な本で語られている。
メンタル・タフネスにも同じ事が言える。
回復の少ない生活を送ると致命的なダメージを負うことになるかもしれない。
常にストレスと同じ量の回復を意識することが成果を上げることにつながり、そしてそれは成功にもつながる。

ネガティブな感情もまた、時と場合によっては必要となる。それらには不可欠の目的がある。ネガティブな感情を使い、それに反応するのだ。決して心を閉ざしてはいけない!


ネガティブな感情は心のサインである。決して見逃してはならない。
心の信号に耳を傾け、それにうまく対処することが感情的なタフネス・コントロールだ。

メンタル・タフネスとは、プレッシャーの下でも平静さと明快さをもって建設的、攻撃的、ポジティブ、そして現実的に考え続けることが出来るという意味である。

直接、自分の気持ちをコントロールできなくても、自分の思考はコントロールできる。思考の方向と内容をコントロールすると、気持ちをかなりコントロールできるようになる。

感想

自分はあまりストレスを感じるタイプではないので、あまり考えたことは無かったが、今回はストレスについて新しい視点を得ることができた。
タフネス・トレーニングはスポーツのトレーニングに似ている。
中学の時にテニス部で腕立て・腹筋・背筋30回3セットというのを毎回やっていたのだが、夏休みなんか毎日部活に行くから、最後の方はだいぶ早くできるようになったものだ。
最近はどちらかというとアンダートレーニングだと思うので、少し負荷をかけて、適応範囲を広げていくといいのかもしれない。