「有名人になる」ということ

作者: 勝間和代
出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日: 2012/04/28
メディア: 新書
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勝間さんの本を結構読んでいるけど、その最新刊。中身はタイトル通りなんだけど、なんだろう、これまでの本と違ったのは、勝間さんの伝記なんだよね、コレはたぶん。これまで、勝間さんがやってきたことをまとめた本。何を考えて、何のために、どうやって仕事をして生きてきたのかと言う、今まであまり本でも書かれていなかったような事柄が、書いてある。

勝間さんの能力が発揮されているのは、それらを全て自分のコントロール下で行ってきたという所で、作中にもある通り、有名人になるということをプロジェクトとして行い、プロジェクト成功の為に手を尽くし、それを成功させたという部分が強みであるし、すごいところでもある。「有名人になる」などということは、普通の人では中々実現できまい。

また、自身もこの本の中で仰っているように、勝間さんの「概念を言語化する能力」というのはとても強烈な印象がある。これは本当にすごい。ただ言語化するだけではなくて、加えてとても分かり易く言語化できるのは、本当才能じゃないかと思う。

有名人になることのメリット、という記述があるんだけど、的確だなと思ったのが、有名になることで影響力が増して、自分のやりたい事を助けてくれる人が増えたり、共感してくれる人が増えると言うところ。これは、有名人になるとそうなんだろうし、会社でも、プライベートでも、自分をより多くの人に知ってもらうということと同じだと思うよ。結局、環境の中で自分を評価するのは自分ではなく、他者だからね。

memo

そう、わたしにとって、「有名人になる」ということは、一つのプロジェクトだったのです。そして、そのプロジェクトマネージャーが自分でした。では、なぜわたしは有名人になろうとしたのでしょうか。じつは、人生のミッションに向けて独立してはじめた金融のビジネスに破れた、というのがそもそものきっかけでした。事務所の運営と社員の雇用、家族の扶養、そして、当初目指していたそのミッションを実現する為に、なんらかのビジネスにチャレンジしなければならなかった。そして、その時選んだのが、「有名人になる」というビジネスだったのです。

こうやって考えてくると、有名人ビジネスは、会社名の代わりに個人をブランド化して、それを商品ととらえて売っていくビジネスと考え直す事も可能でしょう。

わたしの知名度が上がったことで、それが社会的な信用力になって、「この相手であれば、自分の時間をある程度投資しても、何か楽しいことがあるのではないか」と、それなりの人達が思ってくれた、ということではないかと思います。

大きなデメリットのひとつは、「衆人環境の中」で生きるということ

むろん、さまざまな社会問題について、わたしができることなどごくごくわずかです。しかし、一人一人がその問題に気付き、解決を望む人達が力を合わせ、さまざまな方法でさまざまな角度からチャレンジして行くことで、問題は解決の方向に向かう筈です。

誰も読んでいないブログを書き続けるとか、受かりもしないオーディションを受け続ける、自費出版で本を出してみるなどは、そういう「無駄打ち」です。そして、なぜ無駄打ちになるかと言うと、それは、「自分が目立ちたい」という視点から展開しているからです。「仕事仲間の役に立ちたい」「顧客に喜んでもらいたい」という視点が欠けているせいではないかと思います。